■トー横周辺にはゴミが溢れて……

 渋谷区から新宿区へ流れてきたハロウィンの仮装行列。多くの仮装姿の若者が集まり、大量のゴミが捨てられたのは歌舞伎町シネシティ広場、通称「トー横」周辺だ。新宿区危機管理課の担当者に話を聞いた。

「昨年、広場が人でいっぱいになったんです。かなり目立つ状態で、このままでは事故が起きかねないなと。それもあり、今年はハロウィン当日に民間の警備員75名と区の職員30名が警備に当たります」

 2022年には韓国の首都ソウルで、ハロウィンイベントの最中に300人以上の人がドミノ倒しとなる梨泰院雑踏事故が発生。1か所に大勢の人が滞留する可能性がある大規模イベントは、区民の安全を守るためにも厳戒態勢が必要と判断したというわけだ。大荒れの夜になるかもしれない24年の新宿のハロウィン。安全を守るために、区が投じる費用はいかほどなのだろうか。

「区職員が着用するチョッキ代や、ハロウィン期間中の“路上飲酒禁止”を呼びかける広報費用などを含めて3000万円の予算が計上されています。これらは区の財源から賄われます」(前同)

セキュリティー担当者が見守るトー横周辺  撮影/編集部

 一方、区の対策に首を傾けるのは歌舞伎町でスナックを営業する30代の女性だ。

「新宿のハロウィンはホストクラブでのイベントが中心。店では10月1日から11月1日まで連日イベントを開催している。2日間だけハロウィン対策をしたところで、何も変わらないよ……。

 路上飲酒を禁止するならトー横キッズをもっと取り締まらないと。子どもが缶チューハイにストロー突っ込んで1年中チューチュー吸ってるせいで街の見栄えも悪くなる。もう少し根本的な対策をして欲しいね」

 今から約1か月半後のハロウィンの日、渋谷や新宿にはどんな光景が広がるのだろうか――。