■なぜ「いつも遅刻する人」はなおそうとしないのか

 待たされる側にとっては当然聞きたくなる、“なぜいつも遅刻をするのか”という疑問。前出のゆうき医師は、「遅刻グセのある人は、計画能力が低い」と説明する。

「人間には“計画する”という能力があります。今日この後こうなるかな、こうしよう、この時間に出たらこんな時間に到着して……など、将来に対して考えを及ばせる能力です。しかし遅刻グセのある方は、この計画する能力が非常に低い、と考えられます」(ゆうき医師)

 遅れることがわかっているのに連絡をしなかったり、すでに遅刻しているのに焦る素振りも見せなかったりするなど、“遅刻=よくないもの”という認識が本人に根付かない理由は何かあるのか。

「“未来に怒られるかもしれないから連絡をする”というのも、計画の一種です。相手に迷惑をかけることが前もって想定できるなら、そもそも遅刻しないような時間設定をして家を出る。そうした“計画”ができないわけで、そうした方は連絡も高確率でできなくなります」(前同)

 中丸は遅刻していたにもかかわらず髪型やメイクはちゃんとしていたといい、それにも山田は怒りを示していたが、

「(遅刻している)身だしなみを整えるのは、とにかく今この瞬間、この格好で出ると恥ずかしいという“今”の発想だから。また、日常的に行なっている習慣は外さないということです」(同)

 少し先の予定や相手の状況を考えるのが苦手で、常に「今の自分」を大事にするということ。だが、遅刻が常習になれば、生活だけでなくビジネス面にも支障をきたす。

 ゆうき医師は「本人もなおさなきゃなぁとは思いつつ、“でも面倒だなぁ”と思いながら生活していると思われます」と言うが、他者への影響よりも自分の面倒さが優先されるとなると、振り回される周囲にとってはしんどい話になってくるだろう。