目の悩みを解決できる最も手軽なアイテムと言えば、目薬だろう。
ところが、その選び方には注意が必要だという。
「まずは眼科を受診して、目薬を処方してもらいましょう。そのうえで、補助的に市販の目薬を使うこと。ドラッグストアには100種類以上の商品があるので、なんとなく買うのではなく、症状に最適なものを選びましょう」(都内の眼科医)
目の不快感は、「充血、痛み、かすみ(ピントのボケ)、かゆみ、乾き(ドライアイ)」の5つに大別でき、それぞれに適した成分があるという。
神奈川県にある『なかいまち薬局』の代表で、薬剤師の漆畑俊哉氏は、次のように言う。
「充血に適した商品は、大きく3つに分かれます。結膜炎やものもらいは、スルファメトキサゾールなどの抗菌薬を配合したもの、アレルギーなどのかゆみは、抗ヒスタミン薬をはじめ、アレルギーを抑えるもの、一時的な充血は血管収縮薬のテトラヒドロゾリンやナファゾリンが含まれるものが有効です」
■目の異物感、かすみ、乾きに有効な成分は…
ただし、使用するにあたって注意点もある。
「これらの商品は、継続的に使用すると効き目を感じにくくなります。過度な使用は症状の悪化を招く恐れもあるので、使用する際は適切な用法・容量を守りましょう」(漆畑氏=以下同)
目の中がチクチクする、ゴロゴロとした異物感がある痛みは、主に目の炎症が原因とされる。
「こうした症状の場合、眼科を受診するのが一番ですが、市販薬を使うなら、抗炎症成分のプラノプロフェンが含まれている商品がオススメです」
中高年にとって、悩みの種である目のかすみ(ピントのボケ)も、市販の目薬が助けになる。
「慢性的な目の疲れ、かすみは、眼精疲労につながり、目の奥が痛みます。そういうときは目の奥の末梢神経や筋肉、目のピント調節を改善する効果が期待できるビタミンB12や、ネオスチグミンメチル硫酸塩などが入ったものが効果的です」
アレルギー症状などのかゆみには、『ロートアルガードクリアブロックZ』(ロート製薬)がオススメ。
「『ロートアルガードクリアブロックZ』は、アレルギー抑制成分のクロモグリク酸ナトリウムや、かゆみを止める成分のクロルフェニラミンマレイン酸塩などが最大濃度で配合された、かゆみの緩和に特化した商品です。点眼後、効き目が早いので重宝しますよ」
目の乾き(ドライアイ)には、コンドロイチン配合タイプと人工涙液タイプの2種類があり、ドライアイの状態によって使い分けることができる。
「『新ロートドライエイドEX』(ロート製薬)などのコンドロイチン配合タイプは、コンドロイチン硫酸エステルが角膜を保護し、目の乾きを抑制します。『ソフトサンティア』(参天製薬)などの人工涙液タイプは、涙液を補助するためのもので安全性が高く、コンタクトレンズを着けたままでも点眼できますよ」