今や国内の飼育数は犬を抜き、ペットとして不動の地位を築いた猫。
かわいい見た目やしぐさに癒されるが、いざ飼ってみると、気まぐれな性格で、「いったい何を考えているんだろうか……」と戸惑う飼い主さんも多いのでは?
だが、猫の気持ちを簡単に知る方法がある。
猫の専門病院『Tokyo Cat Specialists』(東京都)の院長で、国際猫医学会ISFMに所属する獣医師の山本宗伸氏は、次のように語る。
「実は、猫は“しっぽの形”で感情表現をしています。猫は、集団行動をしない動物で、主に親子間でコミュニケーションを取ります。例えば、子猫がしっぽを立てて、親猫に自分の存在をアピールしたり。そういった習性は、野生の猫はもちろん、ペットの家猫にも受け継がれていて、親代わりの人間にしっぽの形で感情を伝えようとすることがあるんです」
そこで今回は、しっぽの形と猫の気持ちの相関関係を紹介しよう。
(1)しっぽを激しく振る
「犬は、嬉しいときにしっぽを振りますが、猫はその逆。しっぽを激しく振ったときは、“イライラ”、“不安”など、不機嫌な気持ちを表しています。特に、神経質になっている時は、小刻みに激しく振ります。人間の“貧乏ゆすり”のようなものなので接し方には気をつけてください。しっぽが立っていたり垂れていたり、ふり幅が大きかったり小さかったり、さまざまなパターンがありますが、とにかく、“激しく振ったら不機嫌”と覚えておけばOKです」(山本氏=以下同)
(2)しっぽの毛が逆立って膨らむ
「“ビックリしたとき”や、“怒っているとき”は、タヌキのしっぽのように毛が逆立って太くなります。よりデリケートな状態なので、猫の気持ちが落ち着くまで待ってあげましょう」