■“ミスリード予告”に批判の声

 まず「好きだった」というのは、弥生(有村)が海(泉谷)からの「(母親が生きていたときは)夏くんといたことなかったけど、いないときから夏くんのこと好きだった」という伝言を、夏に伝えた際のセリフ。

 そして「頑張って忘れようとしたらもっと寂しくなった」というのは、弥生が過去に中絶した経験から「お腹の子がいなくなった後、すごく寂しくなってね。頑張って忘れようとしたら、もっと寂しくなった」と話し、その流れで夏に励ましの言葉を送る場面での言葉だった。

 上記の弥生のセリフを合わせたのが、最終回予告の「夏くんのこと好きだった。頑張って忘れようとしたらもっと寂しくなった」だったのだ。

「2つのセリフの合わせ方が、ミスリードを狙ったようにも感じられるやり口だったため、憤慨している視聴者が多いということですね。良いシーンではあったのですが、予告で視聴者から期待されていたニュアンスとは全く違うセリフの使われ方だった。“予告のセリフはカットされたの?”と勘違いしている視聴者もいるほどです」(前出の女性誌編集者)

『海のはじまり』の最終回には、

《ドラマって予告詐欺することが多々あるから、最終回の予告で弥生が言ったあのセリフは?とか思ったけど。あーそのシーンのセリフだったのか。やっぱりミスリーディングだったか…という気持ちと、このドラマでもそういうことするんだ…というガッカリの気持ち》
《なんか変な繋ぎ方して、ウソ予告みたいで騙された気分》
《このセリフの切り貼りは悪意がありすぎるやろ(笑)ほんまに予告詐欺すぎる最終回ながら全国の弥生さんファンを敵に回したな》
《弥生さんが予告で言ってた月岡君への想いが溢れるシーンはカットになったんかなぁ》

 といった、憤りの声、”カットされた”と誤解している声など多く寄せられている。

「予告での“ミスリード”は、『海のはじまり』に限った話ではありません。セリフの順序がシャッフルされていたり、今回のように視聴者が予想していた内容と違う場面でのセリフだったりというのは、よくある話です。

 賛否両論あるやり方ではありますが……『海のはじまり』はリアルタイムの視聴率こそイマイチだったものの、見逃し配信・TVerのお気に入り数は197.7万人(9月24日10時現在)と今夏のドラマで断トツ1位。また、シリアスながらもとても誠実に描かれたストーリーが共感を得ていた作品でした。

 それなのに最終回にして、無理に視聴率を取りに行くような演出があり、それを残念に思う視聴者が多く出ているということですよね」(前同)

 夏、弥生、海、そして周囲の人々も前を向いて歩いていくという、切なくも明るいラストとなった『海のはじまり』。次回予告を巡り少々ケチがついてしまった感じだが、無事にハッピーエンドを迎えた。