日本において、主に医療時の輸血や、性格診断の話題の一つとして親しまれ、身近なものとなっている血液型が、“病気になりやすいか否か”に関わることが分かっている。

「近年の研究では、血液型分類によって、感染症にかかりやすい血液型が統計的に示されてきています」(医療ジャーナリスト)

 では、血液型と感染症にどういった関係があるのだろうか。血液型別病気のリスクについて教養バラエティ番組『カズレーザーと学ぶ。』(日本テレビ系)でも講義した、理化学を研究している大阪大学教授の深瀬浩一氏はこう解説する。

「血液型は、細胞の表面にある“糖鎖”という構造に基づいて決まっています。病原体はその糖鎖を目印に、感染することが多いんです。つまり病原体の中には、好みの血液型を優先して感染しようとするものがあります」

■コロナに罹りにくい血液型とは

 社会に大きな被害を与えた、新型コロナウイルスにも血液型との関係が認められるという。

「新型コロナウイルスやインフルエンザなどのウイルスは、細胞の外に出ていく際に血液型の情報も一緒に持って出ていきます。例えばA型の方が罹ったウイルスは、A型の特徴を持ち、同じ血液型を持つ人には罹りやすい傾向があります。一方、A型からB型には抗体の違いもあり、感染しづらい傾向があります」(前同)

 コロナウイルス対する免疫にも、それぞれの血液型よって違いがあるようだ。

「O型は、A型やB型から来たウイルスに対する抗体があって、相対的にウイルスに罹りにくい傾向があります。フィルターが二重にあるイメージですね。AB型は他の血液型と違い、対抗する抗体を持っていないので新型コロナウイルスに罹りやすいという傾向があります」(同)

 新型コロナやインフルエンザに関してだけでなく、血液型によって罹りやすい感染症に違いがあると言う。

「A型は風邪をひきやすく、B型は大腸菌やサルモネラ菌に感染しやすい。 O型は原因となるピロリ菌と結合しやすく、胃潰瘍になりやすい方が多いです。AB型は免疫力が一番低いと言われていますね」(前出の医療ジャーナリスト)

 血液型と罹りやすい感染症の関係についても、

「調べてみると誰でも簡単に、血液型と罹りやすい病気の統計データが見られます。一つの血液型が集中して住んでいる国では、感染症が流行ると、その血液型の人口が一気に減少したという事例もあります」(前同)