最近、繁華街でケバブ屋が増えてきたと感じることはないだろうか?
その多くは「350円」などと派手な色で書かれた看板を出し、異国情緒あふれるソースの香りを路上に漂わせている。肉も野菜もボリュームたっぷりということで、長蛇の列ができている店舗も珍しくない。
元祖B級グルメライターとして全国各地の街を食べ歩く田沢竜次氏が、ケバブ店隆盛の理由を次のように分析する。
「ケバブ屋さんが増えているのは確かですが、なにも突然変異的に急増したわけではないんです。少なくとも都内などでは10年以上前から多く見るようになりましたね。ただ、コロナ以降、日本の外食産業は大きく様変わりしています。これまで安い外食の代表はハンバーガーだったわけですが、最近は値上がりが激しいですしね。庶民の味方・牛丼屋にしたって、500円を超えることがしばしば。
ですから、350円をはじめ、ケバブが相対的に格安に感じるという面はあると思います」(田沢氏)
だが、このケバブブーム、いまいち実態が掴めないのも事実。同じような看板デザインや価格設定を見ているとフランチャイズのように思えるが、そのわりには店名はバラバラで、味や量も異なる印象だ。いったいどうなっているのか?