スナックでよく見かける飴玉のようにラッピングされた四角いツナ。友人の家でオヤツに出てきたオブラートに包まれたカラフルなゼリー。幾度となく見たお菓子だが、意外と正式名称を知らないのでは?

「金銀の包み紙でお馴染みのツナは『ツナピコ』や『ファミリーツナ』、ゼリーは『ミックスゼリ―』という名前で売り出されています。なお、ミックスゼリーは、TikTokでバズったこともあり、注文が殺到しました」(グルメライター)

 これらに限らず、慣れ親しんだはずの駄菓子の名前や発祥を知らないことは珍しくないと、駄菓子研究家の土橋真氏は説明する。

「さくらんぼ餅の愛称で親しまれているお菓子も『もちもち君』という立派な名前がありますし、おつまみにもおいしい『キャベツ太郎』や『蒲焼さん太郎』は、同じメーカー『菓道』から生まれた兄弟商品です」

 ことほどさように、駄菓子たちの生産や販売については謎ばかりだ。

「たとえば、コメを膨らませた『ポン菓子』のパッケージが、なぜニンジン型なのか。円錐型が箱に詰めやすいからではと言われるんですが、誰がなぜ考案したかは謎に包まれています」(土橋氏)

 また、現在も定番の駄菓子である『よっちゃん』シリーズの産地にも、不思議な話があるという。

「原材料はスケトウダラとイカなんですが、駄菓子の産地は“海ナシ県”の山梨。日照や綺麗な水などが関係するのか、独壇場状態です。

 また、昨今、不漁なイカを使っているのに『よっちゃん』の値上がりは微々たるもの。この企業努力もまさに謎ですね」(土橋氏)