■ズバリ、YouTuberが借りやすい物件の特徴とは
YouTuberならではの活動も、大家や不動産会社が難色を示すポイント。まずは「音(声)」だ。若井氏が解説する。
「多くのYouTuberは、室内で喋るのが主な活動でもあります。その場合、壁が薄い物件は絶対にダメ。また昼夜問わず継続的に声や音を出されると、隣だけでなく上下階の住人に迷惑がかかる可能性が出てきてしまう。他の住民に出て行かれたら困るので、リスク回避として審査は厳しくなります」
さらにその動画内容もチェックされる。“ルームツアー”はYouTubeでも人気コンテンツだが、密かに嫌がる大家は多いのだという。
「部屋もそうですし、共用部での配信は絶対アウトです。法律で、マンションの共用部分は管理組合のものだとされているので、許可のない配信はNG。あと、コラボ系も嫌われます」
もともと賃貸物件では、「事務所」として使うことを良しとしない大家がいるそう。個人事務所だとしても「不特定多数の人が出入りすると、“治安”が悪くなる」というのがその理由だが、コラボでも事情は同じだ。
「コラボとなると相手の人やカメラマンなど、人数が増えてどうしても言葉の数が多くなりますし、足音など物音も多くなる。いつも以上に騒音トラブルが起きやすくはなるんです」
審査をする側は、収入面はもとより周囲への影響として、その人がどれだけ“リスク”を持っているかということがシビアに判定されるわけだ。では、YouTuberが入居審査を通しやすいコツは何かあるのか。
「結論、家賃が高い物件ですね。多少リスクがあるとしても、相場よりも高いお金を払ってもらえたらいい、という考えの大家さんはいます。あるいは、そういう“条件つき”の方を専門に対応する不動産会社もあります。音大の周辺には楽器演奏可能な物件がよくあるのですが、それと同じです」
若井氏は、「YouTuberは、キャッシュがあるなら賃貸ではなく買ったほうがいい」と話すが、引っ越しもネタになるのがYouTuberの性(さが)といったところか。