■令和ギャルのスマホケースは意外とシンプル
そんなギャルたちになくてはならない“三種の神器”は、今も昔も変わらず連絡ツールと、メイクグッズそしてカラコンの3つ。だが、その神器の内容は変化をしているようだ。
「平成ギャルの三種の神器はキラキラのラインストーンで“デコったケータイ”、2大ブランド、『ドーリーウインク』『ダイヤモンドラッシュ』の“つけまつげ”、そして“大きなカラコン”でした」
派手さが命の平成ギャルのつけまつげは、毛束が濃く長いのが特徴で、さらに目力を出すべく2枚、3枚とつけまつげを重ねづけする猛者もいたという。また、カラコンも、レンズの着色範囲が大きいほど“盛れる”ともてはやされた。
「一方で令和ギャルは“クリアケースにプリクラを挟んだスマホ”、“リップメイク”、“ナチュラルなカラコン”でしょうか」
美容整形や写真の加工アプリが普及したことで、メイクで不自然に盛る必要がなくなったためか、令和ギャルはK-POPアーティストのようなナチュラル美人を目指すことが多いようだ。
ギャルカルチャーの代表といえば、“ギャル語”。現在は平成ギャル語のリバイバルや、令和オリジナルまで幅広く存在するようだ。
「“ギャルピース”や“ギャル超可愛い”はまさに平成のギャル語の再流行。加えて、“はにゃ?”や“なぁぜなぁぜ?”など新たな言葉が誕生しました」
ギャル語の広がり方も平成ギャルと令和ギャルで大きく異なっていると太田氏は続ける。
「平成期のギャル語は雑誌『egg』(大洋図書)や『Popteen』(角川春樹事務所)のモデルが使った言葉から発生。ギャルサークル全盛期だった当時は、渋谷にたむろするギャルたちの会話から流行っていきました。スマホが発展した令和では、インフルエンサーのTikTokなどのSNSから広がっているようです」
また、令和ならではの“マインドギャル”という存在の影響も大きい。要は、精神(マインド)がギャルということなのだが、
「YouTuberの“kemio”や“とうあ”など、見た目以外にも、ポジティブ思考で、周囲の意見を全く気にしない、強い精神力の“ギャルマインド”を持つ人物に影響を受けるようです」(前同)
ここまでは平成と令和でのギャルの違いについてだったが、彼女たちの根幹は30年経っても変わることはないと太田氏は締め括った。
「ギャルは明るくて派手な印象を持たれがちですが、実は真面目でブレることのない自分の意見を持った、強くて心の美しい女性たちなんです」
若者文化の担い手であるギャル。次なる流行の起こりから目が離せない。
太田まき子(おおた・まきこ)
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。