■NHK上層部&『紅白』と『Nスペ』制作陣の温度差
「今回の『Nスペ』で流れた、SMILE-UP.の補償本部本部長の発言はあまりにも酷すぎますよね。もちろん、本部長もサラリーマンですから、“補償を行なわない”というのは会社の判断を伝えているのでしょうが、それにしても対応がまずすぎるのではないかと。
実際、ジャニー氏や事務所と全く関係がないのに被害申告をしている人もいることが、公式発表されています。そういった良からぬ輩がいるために会社も被害申告者全員に対応していないのは理解できますが、中谷良さんの場合は創業当時から所属していて、自著に被害内容も具体的に残している。
明確な被害者であるのに、”暴露本を書いたから補償はしない”と受け取られかねない判断をSMILE-UP.はしていたと考えられ……。また、“暴露本”と言われますが、後年、大問題化したジャニー氏の犯罪行為を明らかにしていただけですからね」(前出のワイドショー関係者)
そんな旧ジャニーズ界隈だが、NHKは、SMILE-UP.の被害者への対応に加えて、新たにタレントたちのマネジメントを請け負うSTARTO社との経営分離も進んでいると評価。今年10月16日に行なわれた定例会見では、昨年9月から起用NGとなっていたSTARTO社タレントとの取引再開を発表している。
23年末は44年ぶりに“ジャニーズ不在”となった『NHK紅白歌合戦』にも、今年はSnow Manなどにオファーをかけているとされていて、今回の『Nスペ』が放送されるまでは雪解けムードだと言われてきた。
しかし、その『Nスペ』では最後、以下のテロップで番組が締めくくられている。
《2024年10月16日 NHKはスタートエンターテイメント(※原文ママ)の所属タレントへの出演依頼を可能とすると発表した
【NHKのコメント】
「この問題はこれで終わったとは考えていません。NHKも当時の認識や対応が十分ではなくメディアの責任を果たせなかったと自省しています。
改めて性加害をはじめとする人権侵害は決して許さないという姿勢を取引先も含めて浸透させ新しい事実が出てきた場合の検証は報道・番組を通じて行い公共放送としての役割を果たしていきたいと考えています」》
前出のワイドショー関係者は言う。
「局の取引再開の発表と、それを受けての『Nスペ』の締めの言葉からは、上層部およびエンタメを作る部署と、今回のジャニー氏特集を組んだ社会部の間の温度差を感じさせますよね。NHKは一枚岩ではないことが伝わってきます。
最近も旧ジャニーズとSTARTO社のつながりを感じさせる出来事があり、NHKの社会部でなくても両者の関係は注視されていくのではないでしょうか」
先の10月14日、創業家で、ジャニーズ事務所社長をはじめ関連会社すべての役職から退いた、メリー氏の娘・藤島ジュリー景子氏(58)とSTARTO社の福田淳社長(59)がTravis Japanのライブを訪れていたという報道があった。プライベートでジュリー氏が訪れていたことは事実だとSTARTO社も認めている。
「プライベートとはいえ、旧ジャニーズとSTARTO社の経営分離が厳しく見られているなかで、ジュリー氏の姿がトラジャのライブ会場にあったと。この報道を受けて、まだSTARTO社とジュリー氏につながりがあるのでは、という見方をする意見も多いですね。
加えて、やはり今回の踏み込んだ『Nスペ』の各方面への衝撃は大きいと考えられる。『紅白』からの出場オファーが言われているSnow Manは、メンバー間でも『紅白』に出場するか否かで意見が割れているといいますから、『Nスペ』の影響はあるかもしれませんね」(前同)
今回の『Nスペ』を受けて、《この内容流しといて紅白復帰させようとする考えが理解できない…》といった声もある旧ジャニーズとNHK。大きな注目を集める『Nスペ』は、24日深夜0時40分から再放送される――。