■きょうだい解禁となった背景にある2つの理由
ジャニーズタレントの身内が芸能活動をする場合、それを大っぴらにアピールすることは原則としてタブー視されていた。
たとえばNEWS・小山慶一郎(39)の実姉は、2010年頃にタレント活動を開始した料理研究家・みきママ(44)であることは公然の秘密扱いだった。みきママが公に小山との関係を明らかにしたのは23年5月30日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)。姉弟が初めて共演したのも、今年4月12日開始のWEB版『レタスクラブ』での連載企画『小山姉弟の食卓』と、最近のことだ。
また、中山優馬(30)は元NMB48で姉の山田菜々(32)、妹の山田寿々(22)との3人きょうだいだが、初共演は今年3月20日のファッションイベント『カンサイコレクション 2024 S/S』だった。スポーツ紙の取材に中山は《(寿々が)お兄ちゃん一緒にって誘ってきたので、僕が姉を誘いました。一緒に出る機会がなかったので。実現して良かったです》とコメントしている。
ジャニーズ時代に比べて、目に見えて緩くなっているきょうだいとの共演や、関係性の公表――この変化を、芸能評論家の三杉武氏はこう分析する。
「昔のジャニーズは、今よりもさらに“アイドル”路線でしたよね。そのため、ファンからすれば“推し”は恋愛対象でもありますから、それを考えるときょうだいに限らず、身内の話――つまり生活感やパーソナルな感じの話は避けがちなところがあったと思います。
そのため、木村拓哉さん(51)と工藤静香さん(54)、東山紀之さん(58)と木村佳乃さん(48)のような夫婦が基本的に共演しないのは当然として、家族の話も避ける傾向にありましたよね」(三杉氏、以下同)
しかし、時代が進むにつれて、木村や東山など、ベテランが家族・育児の話をするようになった。若いタレントでも、松田のように妹の存在を普通に公言するなど、ジャニーズタレントがパーソナルな話をすることは、普通になりつつあった。そこに来ての、STARTO社へのマネジメント移行である。
「STARTO社は、タレントをアイドルというよりもアーティストとして扱っていますよね。そのため当人同士が望むなら、今回のKOKOROさんのように兄の松田さんの話をしたり、小山・みきママ姉弟のように共演するのも、OKなのではないでしょうか。
また、現在はSNSが普及している時代です。きょうだい関係を伏せていても、調べられたらすぐにバレてしまいますよね。そのため、マネジメント側もあえて隠す必要もないんじゃないか、という空気になっているのかもしれませんね」
トラジャ松田と、UN1KONのKOKORO――ダンス&ボーカルグループに所属するきょうだいが、歌番組で共演パフォーマンスを披露する日も、遠くないかもしれない。
三杉武(みすぎ・たけし) 芸能評論家
早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身。豊富な人脈をいかし、芸能評論家として活動している。多くのニュースメディアで芸能を中心にしたニュース解説を行ない、また「AKB48選抜総選挙」では“論客”とて約7年間にわたり総選挙を解説してきた。