徐々に気温も下がり始め、肌寒い日が続く日本列島。

 過ごしやすい季節になり、外出する機会も増える今日この頃だが、遠出をした先で、“小腹が空く”という人も少なくないだろう。

「物価高の影響でどこもかしこも値上げ続き。少しお腹が空いても営業先で買い食いもしにくい。そんなときにサラリーマンの強い味方になってくれるのが、手頃な価格で本格的なスイーツを多数扱っている、コンビニなんです」(営業職の40代男性)

 ローソン、セブンイレブン、ファミリーマートを筆頭に世はコンビニ戦国時代。安さが売りのコンビニ各社は、物価上昇の荒波にどのように立ち向かっているのか。セブンイレブンとローソンで過去に勤務しており、『す・またん!』(読売テレビ)などへの出演経験もあるコンビニ研究家の田矢信二氏に話を聞いた。

「近年の価格高騰の影響は、コンビニスイーツにも及んでいます。現に、シーズンごとに売り出される季節のデザートは300円台の価格帯が中心で、値上がり傾向にあります。しかし、各社シュークリームやエクレア、プリンといった基本的なデザートの価格の値上げ幅はわずかです。企業努力の賜物ですね」(田矢氏=以下同)

 価格が上昇傾向にあるとはいえ、300円ほどの安価で満足できるコンビニスイーツ。各社の特徴はどの様なところにあるのか。

「王道といえばセブンイレブンです。スイーツに強く、コラボ商品の開発にも独自で力を入れている印象です。洋菓子の『ピエール・エルメ』など高級ブランドと共同開発した商品を売り出すなど創意工夫にも富んでいます」

 対抗馬に上がるのは『プレミアムロールケーキ』(227円=税込=以下同)を売り出し、コンビニスイーツ流行のきっかけを作りだしたローソンか。

「ローソンオリジナルとしてカスタマイズされた商品は、まるで専門店で作られたような出来栄え。ふわふわに仕上げられた生クリームを筆頭にクオリティの高さが目立ちます」

 コンビニ3社の中で、異色路線を走るのはファミリーマートだ。

「ファミリーマートは商品棚に並ぶお菓子の和菓子と洋菓子のバランスが良い。堺正章さん(78)がMCを務めた『チューボーですよ!』(TBS系)などへの出演でも知られる、安食雄二シェフがプロデュースしたスイーツパンを売り出すなど、他社に比べてスイーツのラインナップが豊富な印象です」