京都のグルメといえば、懐石料理や和菓子など「はんなり」としたお上品な食べ物を思い浮かべる向きも多いだろう。だが実際は、国民食のラーメンが府内外で人気だという。

「マニアの間でも、京都発祥のラーメンチェーンは今、注目を集めています。全国進出している店も多く、皆さんも京都発祥と知らずに食べているのでは」(グルメライター)

 とはいえ、「京都ラーメン」と言われても、すぐその味が思い浮かばないという人も多いはず。しょうゆベースの「喜多方ラーメン」や豚骨スープの「熊本ラーメン」など、他のご当地ラーメンに比べ、これといった共通点がないのだ。

 フードジャーナリストのはんつ遠藤氏が解説する。

「1938年創業、甘じょっぱい黒しょうゆ味が人気の『新福菜館』が元祖京都ラーメンと言われていますが、他店で味の再現が難しく、展開がなかなかできなかったようです。そのため、いわゆる“ご当地ラーメン”が京都に存在せず、各々の店がさまざまな味に挑戦できたのです」(はんつ遠藤氏=以下同)

『新福菜館』のラーメン ※撮影/ピンズバ編集部
『新福菜館』のラーメン ※撮影/編集部

 京都発祥のラーメンチェーン四天王といえば、『天下一品』『来来亭』『魁力屋』『ラーメン横綱』だが、それぞれ味の系統がまったく異なるのは、そういうわけなのだ。

 ここでは、その四天王の魅力を、はんつ遠藤氏の解説とともにそれぞれ見ていこう。