■"露出系"迷惑行為「法的措置」の具体的な内容は

 飲食店内ではたらいた迷惑行為。他と異なり露出系の特徴として挙げられるのは、物理的に店内のものを汚す、破壊するなどといった行動はとらず、あくまでもその場では自分一人で完結しているところだろう。

「露出系の場合、みんなが使うものを舐めたり食べ物で遊んだりするなど、いわゆる不衛生なことをしているわけではありません。それで飲食店の衛生管理に対する信用度が落ちることはありませんし、被害者も明確ではない。スシローのようなこれまでの飲食店における迷惑行為とはこの点が大きく異なります」(勝間田弁護士)

 とはいえ、不名誉な形で店名が拡散することに変わりはない。

「刑事的には公然わいせつ罪には該当しますし、場合によっては業務妨害罪にも該当するでしょう。その場合、罰金等の刑が確定すれば前科がついてしまうことになります。加えて、民事的には営業妨害による損害賠償請求もあり得ます」(前同)

 スシローのように何千万円もの訴訟金額になる可能性は低くとも、前科がつけば後々の人生に支障が出てきかねない。"露出系”の女性アカウントは、概ね自身の有料コンテンツへの導線となっていることが共通点だが、注目されたいからといって軽はずみな行動をとると、思わぬところで代償が待っている。

勝間田淳
千葉県内の法律事務所に勤務後、多数の企業のインハウスの弁護士として活躍。法務面のみだけなく、事業の運営にも携わる。
その後、2020年9月にトラスト弁護士法人を開設。現在、「ステークホルダーとの信頼(Trust)関係の構築」をモットーに、金融・コンプライアンス・債権回収をメインに、都内で数多くの企業法務案件を手がけている。さまざまな媒体におけるインターネットトラブルへの対応も豊富。弁護士資格の他、司法書士資格、行政書士資格、公認不正検査士資格を有している。
トラスト弁護士法人公式HP(https://trust-law.jp/lawyer/)