■「座って」くしゃみが効果的
では、体への負担が少ない、正しいくしゃみをするには、どうすればよいのか。
「体に衝撃が加わるので、不自然な姿勢で、くしゃみはしないことですね。衝撃を逃すには、物を掴んだり、体重を左右どちらかに寄せることです。座って、くしゃみをするのも有効です」(同)
中高年になるほど、くしゃみによる健康被害は増えるという。
「電車内で大きな声で“ハクション!”と、くしゃみをする人を見かけますが、いたずらに大きな声を出すのも体への負担がかかるのでオススメしません。蓄膿症や鼻の通りが悪い人も、実はくしゃみによる健康被害が多いとされます」(同)
体の老化が進めば、くしゃみによって生じる筋肉の緊張で、肩こりや五十肩の発症を引き起こすリスクもあるという。
くしゃみハイシーズンの今、“ハクション!”には十分注意したい。
岡田正彦(おかだ・まさひこ)
1972年、新潟大学医学部を卒業。医学博士。新潟大学名誉教授。水野記念病院理事、水野介護老人保健施設長。予防医療学を専門とし、米国心臓学会プロフェッショナル会員。2002年に臨床病理学研究振興基金「小酒井望賞」を受賞。長年、病気を予防するための診療をおこないながら、日本人におけるがんや血管障害などの危険因子を探るための調査にも関わる。