■元社員たちからの悲鳴「毎日22時まですくなくとも残業」の“裏事情”
口コミの総数はそこまで多くないものの、元社員たちからは他にも《基本定時で帰れることはあまりない》《毎日22時頃まではすくなくとも残業》など、仕事量の多さを指摘する声も複数投稿されている。前出のコンサルタントは「その背景に目を向ける必要がある」とし、こう続ける。
「書き込みの中で気になったのは、
《入社しても教育やフォローは特になく放っておく割に向こうの常識は当たり前かのように注意されます》
《会社内の年齢層が離れており新人層と役員層で構成されています。中間層がおらず特に新人研修や新人教育の期間や講座は全く用意されていない》
など、人に教える環境が整っていないように見えることです。
新人層と役員層の間がいないということは、社員の勤続年数が短い、あるいは有能なミドルマネジメント層を獲得できていない・獲得する気がないという表われです。つまりはトップダウンの指示系統で、“兵隊”がたくさん欲しいように見える。
芸能関係は人間関係も重要ですし、細かい業務が多数発生しますが、それらを有機的に束ねる組織になっていないのではないでしょうか。
加えて、《基本的に業務は雑用》という書き込みもありました。この“本音”からも見て取れますが、ただただ現場が疲弊して辞めていくという繰り返しになっているのではないかと……」
ある転職サイトに掲載されている同社の募集ページには、こんなアピールポイントも書かれている。
《当社は少数精鋭の組織ですが、チャレンジングな風土がある会社です。だからこそ、自ら積極的に行動する気持ちを持っていれば仕事の幅をどんどん広げていける環境なのも魅力であり特長です!》
とアピールされているが、大手芸能プロダクション社員は「少数精鋭、チャレンジングというワードは人を選ぶ」と話す。
「少人数でイケイケの会社は大体“少数精鋭”と言いますが、フタを開けたら社長だけがすごいということがよくあります。
あと、もちろん会社によりますが、チャレンジングと謳って何も教えずに自発的な行動を要求するのもよくある話。ちなみに私は前職で社員10人以下の芸能プロダクションにいて、求められていた自発的な行動の一環で自分で新人を育てようとしたら、なぜかあっという間にリストラされましたよ(笑)。
やれと言うだけ言って、いざやったら潰すなんて理不尽ですよね。今から考えれば、私が勝手なことをやっているように見えて、それが気に食わなかったのでしょう。ワンマンな会社にありがちな話かもしれません」(前同)
橋本が所属するプロダクションの社長は公式サイトで、《私自身は勿論、社の体質、体制を今後、同じ事態が生じない様に刷新改善をはかって参ります》と述べている。人材の拡充を図り、タレントもスタッフも安心して働ける環境となることを願いたい。