■通常1810円かかる赤羽から熱海まで600円で乗車
気になるグリーン車の料金だが、紙のきっぷでの通常料金が、『50キロまで1010円』『100キロまで1260円』『101キロ以上1810円』となっているが、さらに安く乗る方法もある。
「乗車前にホームにあるグリーン券券売機でSuicaやPASMOなどの交通系ICカードで購入すると、各区間で260円安くなります。グリーン券を買わずに乗車してから車掌から買うことも可能ですが、その場合は、通常料金になるので注意してください」(鉄道ライター)
ただ、もっとお得に乗車する方法がある。なんと乗車距離にかかわらず、実質600円でグリーン車に乗れるというのだ。
「クレジットカードのビューカード等で貯まるJR東日本のポイントサービス『JRE POINT』の特典で、600ポイントでSuicaグリーン券に交換できます。1ポイント=1円ですから実質600円でグリーン車に乗れるんです」(前同)
驚くのは至れり尽くせりのサービスだ。
「『JRE POINT』のサイトで事前購入する必要があるんですが、このグリーン券の有効期限は1か月。事前購入だと使用しなかった場合に損するのではと思われがちですが、心配はご無用。有効期限中に使用されなかった場合、自動的にキャンセルされポイント口座に交換ポイントが戻るようになっています」(同)
また、金額が安くなるだけではない。
「このグリーン券は乗車距離が無制限なんです。私は赤羽から熱海まで乗車したんですが、最も高い場合だと1810円かかりますので、片道で1210円もお得。往復だと2420円も違ってくるので、浮いたお金で駅弁とビールが買えちゃいますね」(同)
最後にグリーン車の注意点について説明したい。
「グリーン車は、特急などと違って、指定席ではなく自由車なんです。満席時にデッキや通路に立っても料金は発生するので、注意が必要。でも座れなかった場合、スマホで操作したり、車掌さんに申し入れたりすれば『払い戻し』はできるので、損するということはあまりないはずです」(小林氏)
知れば知るほど魅力的なグリーン車の世界。
お得に利用して通勤や旅行を快適にしよう。
小林拓矢(こばやし・たくや)
鉄道ジャーナリスト。1979年、山梨県甲府市生まれ。早稲田大学卒。在学時は鉄道研究会に在籍。単著に『関東の私鉄沿線格差』(KAWADE夢新書)、『JR中央本線 知らなかった凄い話』(KAWADE夢文庫)。共著に『関西の鉄道 関東の鉄道 勝ちはどっち?』(新田浩之氏との共著、KAWADE夢文庫)、首都圏鉄道路線研究会『沿線格差』『駅格差』(SB新書)など。鉄道以外では時事社会メディア関連を執筆。ニュース時事能力検定1級。