■スノドラマは“TVerが回る”

 TVerが公表している【2024年7-9月の全配信番組を対象とした『番組再⽣数ランキング』】では、Snow Man・目黒蓮(27)主演の『海のはじまり』(フジテレビ系)が再生数7148万。2位は松本まりか(40)主演の『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)だが再生数3258万と、『海のはじまり』の再生数が圧倒的なことがわかる。

 また、7月期ではテレビ朝日系「オシドラサタデー」枠(土曜午後11時)にて渡辺翔太(32)主演のラブコメ『青島くんはいじわる』が放送されたが、初回見逃し配信の再生数はオシドラ枠歴代最高記録を更新。前述の『番組再⽣数ランキング』でも、最終的には2284万で6位に輝いている。

「TVerでの再生数が凄いことになれば、放送局側はそれを告知材料として宣伝が打てる。それにより、ドラマのリアルタイムの視聴率が上がる可能性があります。また、TVerでの再生数を武器に、スポンサーサイドにCM出稿の交渉もできたりもする。もちろん、再生数に応じたTVerでの収入もある。ですので、TVerでの再生数が大きくなることは、多くの面での良い影響があるんです。

 しかし、アイドルグループ、タレントの熱心なファンが何回も視聴しているというのなら、その再生数は作品の純粋な評価とは言えなくなってきますよね。多くの人が見て、その大きな再生数が出来上がっているわけではないですから。要は、TVerがファンビジネス化してきているということです。

 ただ、TVerはそういった組織票のようなことを避けるために、1人の視聴が一定数を超えると、カウントがゼロになるシステムだとも言われています。しかし、聞こえてきているその“上限数”はなかなか大きな数字であるということ。ですので、多くの熱心なファンを持つグループ、タレントのコンテンツは“よく回る”、再生数が大きくなるということなんです。一部ユーザーは、その上限数を把握しているとも噂されていますね……。

 そして、こうした状況をテレビ局サイド、広告代理店サイドも把握しており、半ば確信犯的にTVerでのビジネスを進めているともささやかれています。ファンが“推し活”をすることは決して悪くないこと。ただ、面白い作品よりも、ファンを多く抱えているタレントが出ている作品の方が再生数が多くなり、それでその作品が“良い番組”、そうでない作品が“良くない番組”となってしまうのはフェアではないですよね。

 問題は、その見すぎるとカウントがゼロになってしまう上限数が大きすぎることだと言われています。今後、業界内でも議論され、メスが入っていくところなのではないでしょうか……」(前出の制作会社関係者)

 深澤が出演する『わたしの宝物』を巡ってはXに、

《リアタイはもちろん、TVerもたくさん回すからね!》
《今日も今日とてTVerを回す》
《1話のふっかのラブシーンを美しいと無邪気にTVer100回くらい回してた》

 といった、“TVerを回す”と宣言をする深澤ファンの声も多く寄せられている。ただ、深澤やSnow Manのファンが悪いわけではない。熱心なファンが圧倒的に多いので、大きなパワーを持っているということだ。TVerは2015年10月に始まったサービスで、まだその歴史は浅い。収益構造などを含めて、今後、さまざま見直されていくのだろう――。