■失敗談多数…汚れ落としで注意すべきポイント

 片付けが済んだら、いよいよ本丸の大掃除だ。ここにも、今まで当たり前だと思っていた認識を覆す意外なポイントがあった。

 年末の大掃除となれば、日頃の掃除では行き届かないキッチンなど水回りの汚れなどを掃除したいところだろう。

 だが、そこにも注意点があるという。それが、ふだんから何気なく使っている『激落ちくん』などの汚れを簡単に落とせるメラミンスポンジの使い方だ。

「しつこい汚れが落ちてツルツルになるメラミンスポンジですが、これ、スポンジとは言いますが、実は研磨剤です。使用方法によってはコーティングが剥げるなど、家財道具を痛めたという失敗談をよく聞きます。浴槽やトイレのタンクなどの樹脂加工、鏡、車の外装、木製箇所などに傷をつけてしまう可能性があるので、使用を避けたほうがいいですね」(前出の奥田氏・以下同)

 水回りと言えば、年末に大掛かりな掃除をしたいのが浴室。この掃除にも、目からウロコのポイントがあった。

「浴室をしっかり掃除するなら、風呂蓋やシャンプーなどの小物を先に洗って外に出し、天井から洗うこと。そこからは、壁、浴槽、洗い場と、上から下に分けて洗うと効率的です。先に下のほうを洗うと、上を洗ったときに汚れが落ちてきてまた洗うことになるので」

 注意が必要なのが浴槽の側面にあるエプロン部分。つなぎ目に溜まったカビが気になるところだ。

「むやみに外すと戻せなくなって修理に数万円かかったという失敗談もあります。外しても大丈夫な種類のものなのか、説明書を確認してからにしましょう」

 同様に注意が必要なのがエアコンの内部洗浄。カバーを外すと案外埃が詰まっていたりして、ついつい自分で掃除してしまいたくなるが、

「これは絶対にプロに任せるべき。市販のスプレーもあるんですが、機械周りに水分が残ると埃とくっついて故障や火災の危険性が出てきます。自分でできるのは、カバー回りを拭くことと、フィルター掃除ですね。特にフィルターの掃除は、年末だけでなく2週に1回の掃除が理想です。ホコリは有害ですし、電気代の節約になりますので。2週に1回が面倒でも、最低月に1回はきれいにしたいところです」

 今年の汚れは今年にのうちに。根詰めず効率的に掃除をして、来年も住み良い家にしようではないか。

奥田明子(おくだ・あきこ)
整理収納コンサルタント。整理収納アドバイザー1級、クリンネスト2級認定講師などの資格を所有。整理収納や掃除・家事に関する研究をする傍ら、セミナーの開講、コラムの執筆、講、個人宅での整理収納のサポートなど、幅広く活動中。カナエルクラシ主宰。