外資系コンサルなどで「アサップ」「エビデンス」といった業務用語に新入社員がキョトンとする話は有名だが、一般の企業でも上司が駆使する高難易度“ビジネス用語”に若手が悩むことが往々にしてあるという。
「“いい感じに”を“よしなに”、内密に進めることを“ダマで”など、上司からの聞きなれない言葉に困った経験が何度もあります。飲みの席で若者ぶった言葉を使われるのも、正直辟易していますね」(20代/男性=商社)
若者研究の第一人者でマーケティングアナリストとしても活躍する芝浦工業大学デザイン工学部教授の原田曜平氏はこの“不快感”の原因を、「利用するメディア媒体の違い」によるものと指摘する。
「20~30年前までは、高齢者は朝のニュース、若者は深夜放送といった違いはあれど、共通してテレビを見ていました。今は若者のテレビ離れとTikTokの台頭で、世代ごとの流行が断絶したことが不快感の原因でしょう」
忘年会シーズンも近づく今、言葉づかいで「オジサンくさ~い」と若者たちに不快感を抱かれないためにも、一度「死語」を確認しておきたい。
1990年に森口博子が広め大流行した「バッチグー」。若者が“痛い”と感じる死語の筆頭だろう。
「“完璧”というニュアンスで使っているのは分かりますが……。ウチの上司のオジサンが口にするたびに痛々しくなります」(20代/男性=食品製造業)
「写真」「画像」を意味する「写メ」も時代にそぐわない言葉となった。
「元は写真をメールに添付して送る“写メール”の略だとは知っていますが……。スマホからのメールも減って意味をなさなくなりましたね」(40代/男性=建設業)
また、ベテラン社員が当たり前に使っている言葉も、若手社員が意味を解さず首を傾げてしまうことも多い。例えば、手軽な参考書などを指す「あんちょこ」。「安直」の音が変化して生まれた言葉だが、ビジネスシーンでは“自分用のマニュアル”として使われている。
「“メモ”“マニュアル”と言われたら、分かります!」(20代/女性=金融業)