■「ラーメンが缶詰に!?」業界に新風、中身の評価はいかに

第一弾ということもあり、味はラーメンの王道・醤油味だ。ラーメンライターの井手隊長は、このラーメン缶について「常温でも麺が伸びないのは画期的」だと評し、食べた感想をこう語る。
「スープに関しては文句なしです。オーソドックスな醤油味で、どこか懐かしさを感じる味ですね。メンマやチャーシューもチルド麺と同じ感覚でおいしいです」(井手隊長=以下同)
缶の蓋を開ければふわっとスープとメンマの香りが漂う。とはいえ、チルド麺や生麺でつくるラーメンを想像していると、その印象は覆される。
「麺はつけ麺のような極太麺なんだけど、そこまでコシがなくふんわりした不思議な食感があります。ただし、味が薄いかと思えばそうではない。浸かっている分スープはじっくりと麺に絡んでいるから、新しい味わいを楽しめます」
新たな味のスタンダードを確立しそうなラーメン缶。それ以外の分野でも変革を起こすのではないかと井手隊長は推測する。
「通常カップ麺は半年、袋麺は8か月しかもたないけど、ラーメン缶は3年もつ。この時点で保存食としてかなり強いですよね。その上で、お湯いらずで、即席で食べられるのは無敵だと思います。あたたかくして食べたい場合、湯煎で10分~15分火にかければOKです。
天災の時は、汁物が恋しくなるものです。実際炊き出しでもラーメンの人気は高いといいます。スープが麺に染み込む分、味噌ラーメンとか担々麺といった濃い味の展開もありですよね。保存食にラーメンのバリエーションがあったら、非日常のなかに少しでもほっとする瞬間が生まれるのでは」
井手隊長は、「カップ麺も、従来のラーメンとは似て非なるもの。年月をかけて『カップ麺の味』を作り上げてきたように、ラーメン缶も『ラーメン缶の味』が根付いて、新たなジャンルを作り上げていくことができたらいいですよね」と期待をふくらませる。
缶詰業界の新たな風となりそうなラーメン缶。見かけた際には、“新体験”を味わってみては?