今年の「新語・流行語大賞」が12月2日に発表され、年間大賞には、昭和から令和にタイムスリップした主人公が価値観や行動様式の違いに戸惑いつつも、奮闘するドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系)を略した「ふてほど」が選ばれた。

 そこで今回は、新聞14紙の読み比べを日課とする時事芸人のプチ鹿島氏に、“本家”では選外だったものの、印象的だった言葉を選出してもらった。

 裏『新語・流行語大賞』、開幕!

「まず、パワハラ報道で逆風と伝えらえていた兵庫県知事選で斎藤元彦氏が再選を果たしたことを端に発して、爆発的に流行っているオールドメディアという言葉でしょう。N国党の立花孝志氏や、その支持者が好んで使っていますが、7月の都知事選の“石丸旋風”の際にも散見されました」

 どういった趣旨の言葉なのだろうか。

「テレビや新聞、雑誌といった従来からのマスコミを揶揄する言葉です。主にネットで情報収集する層が好んで使っていますが、今回の斎藤氏再選は、彼らにとって“真実を隠蔽し、偏向報道をするオールドメディアに勝った”という意味合いがあるんです」

 鹿島氏は、この兆候に違和感を持つ。

「私は“オールド”を“伝統”と捉えています。真偽不明の情報に対して、5W1Hを固めて裏付けを取る。伝統的な取材手法を経て、デスクや編集長の目をきちんと通った確度の高い情報は、みんながSNSで情報を発信できる今だからこそ、重要性が高いと思っています」