■同時多発的に発生した“土になる!”ブーム
政治の世界で、局地的に流行した言葉もあるという。
「10月の衆院選で劣勢が伝えられていた萩生田光一氏は、選挙戦で盛んに“八王子の土になる!”と語っていました。対立する落下傘候補への当てつけでしょうが、同じように和歌山2区では二階俊博の息子さん(伸康氏)も“和歌山の土になる!”と言っていまして。同時多発的に政治家が“土になる!”ブームが起きていました(笑)」
流行語それ自体に向ける眼差しも鋭い。
「神戸県知事選の最中に#さいとう元知事がんばれという言葉が爆発的に拡散されましたが、今となってはPR会社の仕掛けということが明らかになりました。こういう“誰かが流行らせようとした商品化された言葉”と、それ以外を見分けたいと思っています」
他に気になる言葉はあるだろうか。
「闇バイト報道の際に、犯人間の通信のやりとりとして、必ず名前が挙がったアプリのテレグラム。
また、本家ではお笑い界発の言葉が選出されませんでしたが、松本人志氏が、性加害を受けたとされる女性が送ってきた感謝のメールが雑誌に流出したことに際しての“とうとう出たね。。。”も忘れ難いです。まあ、誰が表彰式に出てくるんだという話ですが。裁判所にも出てこなかったわけですし……」
大賞に選出される決め手を、鹿島氏はこう推測する。
「結局、授賞式をイベントとして成立させるために、誰が出席できるのかというのが一番、重要なのでは」
不適切にもほどがある、身もふたもない話……。
プチ鹿島(ぷちかしま)
新聞14紙を読み比べ、スポーツ、文化、政治と幅広いジャンルからニュースを読み解く。2019年に「ニュース時事能力検定」1級に合格。2021年より「朝日新聞デジタル」コメントプラスのコメンテーターを務める。コラム連載は月間17本で「読売中高生新聞」など10代向けも多数。