■美羽・松本若菜の設定がブレブレ
本作に視聴者が期待していたのは、宝物である娘・栞を守るため悪女になることを決意し、なりふりかまわぬドロドロ劇を演じる美羽(松本)だったはず。しかし、終始、自分を責めるばかりで、なにも言わず、なにもせず。経緯を正確に知らない宏樹(田中)、冬月(深澤)、真琴(恒松)、莉紗(さとう)がギャーギャー騒いでいるだけの展開になってきている。
また、美羽がかつて自分を責めた真琴を頼るのも不可解だ。長年の親友ということで信用しているのだろうが、悪女ならば親友すらも捨てる冷酷さがあっても良かったはず。前宣伝などで告知されていた、美羽のキャラ設定から大きく外れているのが、理解不能な流れや言動につながっているのかもしれない。
X上での批判の声だけでなく、視聴者離れも呼んでいるのか、TVerの最新の再生数では、お気に入り登録数で2位の『ライオンの隠れ家』(TBS系/金曜午後10時)に抜かれている。お気に入り登録数は7万以上の差があるので、抜かれることはないと思うが、終盤で急速にしぼんだ感じは否めない。
残すところ、あと2~3話だと思われるが、最後はみんなが詳細を知ることになり、バタバタとカオスな状態で終わってしまう、ツッコまれまくるネタドラマになる可能性もありそうだ。
次回予告には、莉紗が美羽にコップの水をかけるシーンあり、《水ぶっかけで一気にドロドロドラマ感に…ネタドラマにだけはならないでー、てか、莉紗はどの立場で水ぶっかけてん!》と、早くも心配とツッコミが寄せられている。ここからどうまとめるのか、注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。