■中山さんがXの鍵アカ内で見せていた“後悔”

 80年代のアイドル黄金期にトップを走り続けた中山さんは、他の女性アイドルたちが徐々にタレントや女優業にシフトするなか、90年代も歌手活動を継続したが、1999年を最後に歌は休業した。その後、2002年6月には作家でミュージシャンの辻仁成(65)と結婚し、パリに移住したものの、2014年7月に離婚。中山さんが歌手活動を再開したのは、2019年のデビュー35年目のことだった。

「離婚後に歌手活動を再開したのは、同期の存在もあったと言われています。“85年デビュー組”である浅香唯さん(55)や南野陽子さん(57)、斉藤由貴さん(58)たちはデビュー30周年ライブを開催しているのに、中山さんはその頃離婚したばかりで、まだ歌手活動は休業中でした。

 10年ほど前に、中山さんは音楽家・渋谷慶一郎氏との熱愛報道が出たあたりのタイミングでXアカウント(当時はツイッター)を“鍵アカウント”にしています。フォローしているファンしか閲覧できないアカウントでは、《なんで自分は(周年ライブを)やらなかったんだろう》と悔いがあるような投稿もあったそうです。同期の“85年組”への意識ももちろんあったでしょう」(音楽誌編集者)

 そんな中山さんは無念を晴らすように2025年にデビュー40周年を迎えるにあたり、コンサートツアーを企画。今年の10月には『Miho Nakayama Concert Tour 2025 -Un-』と銘打たれた、来年の4月から始まる全国23公演の日程が発表されたばかりだった。結局、その悲願は果たされることはなかった……。

 前出の石原さんが、復帰後の中山さんの“変化”を語る。

「芯は変わらないんだけど、復帰後は丸く、やわらかい雰囲気になっていたように思います。リクエストにも応えてくれるようになったし、とにかく言動の端々から、ファンに感謝を伝えたいという気持ちが伝わってきていました」(石原さん)

 今もまだ、中山さんの逝去を「信じられない」という石原さん。12月15日に行なわれるはずだった東京でのクリスマスコンサートチケットも購入し、楽しみにしていた。

 チケット代は1万7000円。決して安くはないが、石原さんは、「払い戻ししないでおこうかなとも思っているところです。……彼女とのつながりが消えないように」と小さくつぶやく。

 失ったもののあまりの大きさに、まだまだ中山さんの不在を受け止められないファンは少なくないだろう。