■前フリが足りない親子の確執ネタ

 最終章は、今回のラストでつながった“群馬”をキーワードに、粒来(古田)が姿を消していた12年間の謎が明かされるのだろうが、どうも盛り上がりが足りない。X上には称賛の声があるものの、ジェシー(28)のファンや、『相棒』や『ブギウギ』を匂わせる趣里関係のネタを喜ぶポストばかりが目につき、ストーリー自体への期待の声は多くない。

 そもそも本作は、亮子(趣里)が物事の本質を見抜き、人間が訳もなく悪意に満ちてしまう“モンスター”になる瞬間を暴くのが、物語の骨子だとうたわれていたのに、急に親子の問題といわれてもピンとこないのだ。粒来には裏があるとしても、ずっと離れて暮らしていて、ほぼ他人状態なのに、どうして亮子は強くこだわっているのだろう。

 粒来の過去は、亮子の協力者でコンビニ店員の尊(中川翼/19)が調べている、闇バイト組織・キングが関係あるようなのだが、そのキングに関する情報が小出しすぎて、粒来が追っている闇が見えてきていない。これが最終章にピンとこない原因だろう。変に親子の確執を前に出さず、これまでのように亮子の独壇場で押し切ったほうが、見ごたえがあったように思えるのだが……。

 次回は、ジェシーが趣里とカップルのふりをするようで、X上で《予告見たらお揃いのダッフルコート着てカップルに変装したり、神波先生に珍しく真剣に怒ってたり、何故かサングラスしてラップしてたりと来週は色んな杉浦先生が見れそうで楽しみすぎるよ〜!》と、ファンが沸き立っている。

 しかし、そんなものは物語の枝葉にすぎず、ジェシーは視聴者を引き付ける客寄せパンダ要因ような扱いになってきている。唐突な感が否めない最終章の粒来フィーチャーだが、はたしてどんな“モンスター”をあぶりだすのか。趣里のムダ遣いにならない、亮子の活躍に注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。