■『全領域異常解決室』続編希望の声が多数

 興玉(藤原)がヒルコだと匂わされたが、前回の宇喜之(小日向)がそうだったように、ミスリードの可能性が高い。実はFODの課金プランでは最終回がすでに配信されており、見た人からは《うおー!第10話観ちゃったよ〜最後はやっぱりアレだよね?コレ続きあるよね。ヒルコはいたんだよやっぱり》という、困惑のコメントが。

 この反応から見るに、ヒルコの正体ははっきりとは示されていなさそうだ。また、公式サイトの相関図は、ヒルコは黒い影のような画像に、俳優名の部分は「???」と記されているだけ。ヒルコをクリックすると、ケムリのように一度消え、再び画像が現れる仕様になっているのも、それを暗示しているのかも。

 それでは、どのような展開になるのか? 興玉が捕らえられ、小夜(広瀬)が二宮(成海)に操られている以上、全決に勝ち目はない。そうなると、カギになるのは人間で、第9話で寿(野間口)が「興玉さんは武の心得を持っている。だが、それは神の御業ではない。人間業なら人間で制圧できる」と言っていたが、これは人間が神に戦いを挑む展開の前フリではないだろうか。

 その人間とは? 残っているのは荒波(ユースケ)だろう。これも同じく第9話で、神隠し事件の被害者であり、大宜津比売神(オオゲツヒメノカミ)だった大月(田山由起/46)との、ほろ苦い小学校時代のエピソードが唐突に明かされた。これは荒波がキーマンになる前フリで、神と神との戦いが、神と人間の戦いになりそうだ。

 視聴者の間からは、《絶対に続編もしくは映画化をお願いします!設定が好きすぎるからさ~この世界が終わってほしくないのよ》など、続編を希望する声が多い。なにしろ神は八百万いるのだから、ネタは尽きず、続編や映画を作ることは十分可能。ヒルコの本当の正体は、そちらで明かされるのではないだろうか。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。