2024年もそろそろ終わり。今年は俳優だけでなく、脚本家に注目が集まる作品が、良くも悪くも目についた。その中でも、話題になったドラマを振り返ってみよう。
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Snow Man・目黒蓮(27)主演の月9ドラマ『海のはじまり』(フジテレビ系)は、全話平均視聴率こそ7.6%(ビデオリサーチ調べ/関東地区)と突出していないが、配信サービス・TVerの再生回数が7148万を記録し、7~9月期ドラマの総合1位となった。
同ドラマは、人はいつどのように“父”になり、いつどのように“母”になるのか、さまざまな形の“親と子”のつながりを通して描く“家族”の物語。TVerの再生回数2位の『夫の家庭を壊すまで』(テレビ東京系)の3258万に大きく差をつける驚異的な数字を残したが、X上で毎回のように「つらい」の大合唱が。
怖いもの見たさで数字が伸びたところもあるだろうが、「つらい」の根本的な原因はなんだったのか――。脚本は、初めて連続ドラマを手がけた『silent』(フジテレビ系)で、丁寧な描写が評価された生方美久氏。しかし、本作では、それが仇になったかもしれない。
“親子”の物語と思いきや、夏(目黒)と海(泉谷星奈/7)の“親子”の関係を描く前に、元恋人で病気で亡くなった水希(古川琴音/28)とその母・朱音(大竹しのぶ/67)と、恋人・弥生(有村架純/31)をフィーチャー。なかなか“親子”の物語が始まらないうえ、予期せぬ妊娠や死、ツラい中絶などを描いて重い雰囲気が延々と続いた。