■マウス実験でも証明、アルコールに弱いと感染症に罹りにくい

 そもそも、酒を飲んで顔が赤くなるのは、アルコールを肝臓で分解した際に産生されるアセトアルデヒドを、無害な酢酸に変える“酵素(ALDH2)”の働きが弱いため。結果、有害なアセトアルデヒドが蓄積され、顔が赤くなったり、動悸や頭痛などが引き起こされたりする。

「同じアルデヒド類でも、人体で作られるホルムアルデヒドは殺菌作用がある。松本准教授は“顔が赤くなる人はホルムアルデヒドの濃度も高めなので、コロナなどのウイルスの防御に役立っているのでは”という仮説を立てています」(同)

 今年3月の国際的医学専門誌に掲載された、この論文を閲覧した予防医学の専門家である岡田正彦・新潟大学名誉教授(医学博士)は、こう解説する。

「検体の集め方や分析法に再考の余地があるとはいえ、お酒を飲むと顔が赤くなる人はコロナなどにかかりにくく、重症化もしにくいという今回の研究には十分、説得力がある。マウスをアルコールに弱い体質に変えると感染症に罹りにくくなるという研究データもある。アルコールの分解によって生じる物質は、類似物が体内にも存在し、殺菌作用がある。その濃度が常に高いから、という仮説もうなずけます」

 酒に弱い人は、やっぱり感染症には強かった!?