■『わたしの宝物』3人にとっての贖罪とは――

 はたして、どういう結末を迎えるのか――。宏樹(田中)と寄りを戻せば「モラハラ肯定」になり、冬月(深澤)と暮すことにすれば「不倫肯定」になってしまう。不特定多数が視聴する地上波ドラマとしては、批判や不満の声が出る可能性が高いこともあり、どちらも避けたいところだ。

 そうなると、美羽(松本)はひとりで幼い栞を育てることなる。誰も救われないオチになりそうだが、キーワードになるのが“贖罪”だ。美羽は劇中で「罪を償う」と何度も繰り返してきた。これは伏線で、宏樹はモラハラの、冬月は不倫の、美羽は不倫と嘘(托卵)を贖罪し、それぞれの道を歩むのかもしれない。

 そこで気になるのが、もうひとつのキーワードとなる“児童養護施設”だ。冬月の会社の同僚で、アフリカでテロの犠牲になった、下原(持田将史/40)がよく通っていたのだが、そこには下原の弟・隼人(西垣匠/25)がいて、本筋とはあまり関係ないのにやたらと登場した。これもまた3人の贖罪の伏線のように思える。

 ズバリ、最終回の展開を予想すると、冬月は新たに宏樹の会社から融資を受け、児童養護施設の支援事業を始める。一方、宏樹は、融資をすることで施設の支援、もしくは、シングルマザーを支援する事業に携わる。そして、美羽は栞をひとりで育てながら、施設で働き始めるのではないだろうか。

 托卵という事態を招いた美羽、宏樹、冬月は、“恋愛”という関係性から離れ、恵まれない子どもたちを支援することで“贖罪”を果たす。これこそ、見る側が納得できるオチに思えるのだが、実際はどういう結末を迎えるのか、注目したい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。