寒さが一段と厳しくなり、体の芯から冷えるこの季節。コンビニに買物に行くと、ついつい肉まんに手が伸びるという方も多いだろう。

「冬の肉まんはカウンターで買えるファーストフードという形で長らく親しまれてきました。関西のコンビニでは肉まんにからしを必ず添えるという文化があるくらいです。ホットドリンクと同じように、体を内側から暖めつつプラス小腹を満たせるワンハンドで食べれるのが魅力ですね」 

 そう語るのはセブンイレブンローソンに勤務していた経歴があり、『す・またん!』(読売テレビ)などにも出演するコンビニ研究家の田矢信二氏だ。

「2000年頃から商品開発が進みました。現在の肉まん市場全体が600億円ぐらいと言われている中で、コンビニのシェアはなんと約7割です。専門店も含めた中で、店舗数が多いコンビニの強さというのは突出していますね」

 肉まん市場に大きな影響を与えるコンビニ。大手3社はいったいどのような経営戦略を取っているのだろうか。

「セブンイレブンは元々東京発祥のコンビニなので、新宿中村屋といち早く商品を共同開発し、中村屋の美味しさを生かした肉まんを販売しています。ファミリーマートも最近中華まんに力を入れていて、商品開発が進み、種類も豊富です。ローソンはエンタメ色が強く、映画やアニメとコラボした、キャラまんなどバラエティー豊かな印象ですね」(前同=以下コメントは田矢氏)

 近年のコンビニ戦略には共通したトレンドも見受けられるという。

「バレンタインデーが近くなると、チョコまんというものを各社出してきます。今年も発売するのでは。肉まんの売り上げのピークが12月ですが、スイーツまんを出すことによって、バレンタインデーまで売り上げをつなぐというのが最近の傾向ですね」