■安い肉まん、高い肉まん、味の違いはあるのか

 コンビニの肉まんを見ると、100円台の商品と、やや高めの200円台、2つの価格帯の商品を各社発売している。この違いはどこにあるのだろうか。

「200円台の商品は、より専門店に近い味を再現しています。サイズも大きく、具材も大きいので、食感をより強く感じられます。肉まん単体を楽しむのであれば、大きいサイズがオススメです。一方100円台の肉まんは、おにぎりやおかず等、何かと一緒に食べ合わせるのに向いていますね」(前出のコンビニ研究家の田矢氏=以下・コメントは田矢氏)

 では通常の肉まんと高価格帯な肉まんは、それぞれのコンビニでどのような魅力があるのだろうか。本サイトは前出の田矢氏に話を聞き、食べ比べてみた。

 まず比較するのはセブンイレブンの『ふんわり×ごろっと 肉まん』(160円)と『もちもち×ずっしり 大入り豚まん』(240円)。

「両方とも生地のもちもち感を重視していて、最後まで口の中で余韻が残っているのが特徴的です。お肉のジューシー感と甘みのある味付けが絶妙ですね」

 ローソンは、毎日食べても飽きない味わいを目指した『肉まん』(170円)と2種の醤油をブレンドした玉ねぎの甘みがアクセントの『特撰 醤油豚まん』(268円)を販売している。

「生地は3社の中で一番ふわふわしていますね。味付けもしっかりしています。特に『醤油豚まん』は醤油が玉ねぎの甘さと調和していて、後から辛さがやってきます。お酒のお供にぴったりですよ」

 最後はファミリーマート。ホシノ天然酵母の発酵種の甘味のある生地を使った『じゅわっとジューシー本格肉まん』(168円)と国産黒豚を100%使用した『極旨 黒豚まん』(240円)だ。

「もっちりしていて重量感のある生地が特徴的です。『黒豚まん』は、食べると黒豚の旨味がジュワっと出てきます。パッケージにもこだわりを感じられ、肉まんの下についている敷紙には、キレイなデザインのイラストがプリントされています。SNSで共有したくなりますね」

 寒さはこれからが本番。今年の冬を乗り越える自分好みの肉まんを探して、心も体も温まってはいかがだろうか。

田矢信二(たや・しんじ)
近畿大学商経学部卒業。幼少期は実家の小さなおもちゃ屋で商売を学ぶ。その後、セブンイレブン、ローソンを経て、コンサルタント会社でも勤務。コンビニの商品や売場全般に詳しく、お店に訪れ消費者目線で買い物をして試食する毎日。本部社員として働いた現場経験を活かし、コンビニに関する講演・セミナーからテレビ・ラジオ番組などにも出演。コンビニをテーマにした記事への取材なども受ける。アジア企業へのコンビニをテーマにした企業講演の依頼も多い。主な著書に『セブン-イレブンで働くとどうして「売れる人」になれるんですか?』、『ローソン流アルバイトが「商売人」に育つ勉強会』(以上、トランスワールドジャパン)がある。