■永瀬廉ファンを意図的にざわつかせたか

 しかし、その一方で山下には、《普通にオタクってバレてるの分かってる時点で、共演断らなかった山下美月おかしくない? せっかくドラマ面白そうなのに、普通に考えて元オタクが相手役って山下も永瀬も制作側もファンのこと煽ってナメてるでしょ 不愉快すぎ》などと、ブーイングの声が上がった。

 また、ドラマの初回放送前の6日、フジテレビ系1月期ドラマの番宣バラエティに永瀬と山下が出演した際、“好きなもの”と“嫌いなもの”を挙げる企画で、山下は「O型が好き」と宣言。永瀬がO型であることからファンの間で炎上し、山下はインスタグラムのストーリーで宣言の経緯を説明。永瀬もブログで「憶測とかもあったりして」などと、火消しと思われる発信をそれぞれしている。

 ドラマの内容以外のところで話題になっているが、もしかすると、山下のヒロイン起用は、制作側の意図的なものだったのではないかと思われるところもある。

 まずはキャスティング。祖父に鹿賀丈史、社長に筒井真理子(64)、上司に小関裕太(29)らと、はっきり言ってGP帯の連続ドラマレベル。さらにスタッフも、脚本が『ラジエーションハウス』シリーズなど手掛けたベテランの大北はるか氏。演出が『アンメット』(ともに同局系)に参加している本橋圭太氏。どちらも深夜ドラマなのに本気度が高いのだ。

 ここまで力が入っていて、わざわざ炎上の可能性がある山下をヒロインにキャスティングするような、脇の甘いことをするだろうか? もちろん炎上を狙っていたとは言わないが、ファンがざわつくキャスティングを意図した、というのはあるかもしれない。

 永瀬は『夕暮れに、手をつなぐ』(TBS系)や『厨房のありす』(日本テレビ系)など、GP帯ドラマで存在感を示せないことが続いた。そこから前作の深夜ドラマ『東京タワー』(テレビ朝日系)で、ファンサービスたっぷりの不倫ものに挑み、話題となった。前作の体を張った制作姿勢を考えれば、十分にありえそうな話だ。

 しかし、ドラマ外の話題は置いておいて、訳ありな陰のある青年役が多かった永瀬が、本作でコメディをやるのは新鮮。とりあえずは深夜らしい、チープながらもサービス満点なドラマ展開を楽しみたい。(ドラマライター・ヤマカワ)