■2度の会見でイノッチが見せた巧みな立ち回り
ジャニー氏の加害問題で、ジャニーズ事務所は23年9月と10月の2度、記者会見を開いた。最初の会見には当時の社長である藤島ジュリー景子氏(58)、東山紀之氏(58)、井ノ原の3人、2度目の会見には東山氏と井ノ原が登壇した。
2度目の会見では再発防止策や「SMILE-UP.」への社名変更、同社に所属するタレントとエージェント契約を結ぶ新会社(現:STARTO ENTERTAINMENT)設立の方針などについて説明。
会見では一部の記者がマイクを通さずに質問したり、司会者が提示した「1社1問」の制約を守らない記者も続出。ヒートアップした記者から怒号が飛び交った。
そんななか、井ノ原は「ちょっと落ち着いていきましょう。じっくりと行きましょう」と呼びかけ、「被害者のみなさんが“自分たちのことでこんなに揉めてるのか”というのは僕は見せたくないので、できる限りルールを守りながら、ルールを守っていく大人たちの姿をこの会見では見せていきたいって思ってますので、どうか、どうか落ち着いてお願いします」と話し、会場の取材陣から拍手が湧き起こる一幕もあった。
「ベッド写真が流出した金指さんは24年10月をもってSTARTO社を退所し、同年12月に滝沢氏率いるTOBEに移籍し、ソロアーティスト・ISSEIとして活動をしていくことを発表しましたが、育成を手掛けていた井ノ原さんにとっては複雑な思いがあったのではないでしょうか。
ジャニー氏の加害問題では井ノ原さんは2度の会見に登壇。厳しい質問が飛び交う中、井ノ原さんが上手に対応したことが話題を呼びましたが、彼がいなかったらさらなる炎上を招いたことは必至でしょう。ジュリー氏は憔悴しており、東山さんはいかにも不慣れな感じでしたからね。井ノ原さんの冷静な振る舞いで、会見はなんとか成立した感じですよね。
井ノ原さんはその後、STARTO社の取締役COO(最高執行責任者)に就任し、24年4月時点で取締役CMO(最高マーケティング責任者)に変更となりましたが、23年は井ノ原さんにとって激動の1年になったことは間違いありません。芸能生活36年の中で最もつらい時期だった、というのは今だから明かせる本音ですよね」(前出のワイドショー関係者)
最もつらかったという2023年を乗り越え、井ノ原はタレント・アーティストとしてのさらなる充実期を迎えそうだ。