日々、若者文化やトレンドの最先端を研究するトレンド現象ウォッチャーの戸田蒼氏が2025年のトレンドを本サイトに大胆予測。今、若者の間でホットアイテムとして注目されているのは“せいろ”だった。
2025年の食トレンドとして注目されているのが、若者を中心に話題を集める「せいろ」と「ドバイチョコ」です。昨年のトレンドを振り返ると、アサイーボウルや手作りパンが注目されましたが、来年はこれらの独創的なトレンドが、ライフスタイルや価値観に新たな変化をもたらしそうです。
まず一昨年来、「せいろ」の人気が急上昇しています。日本の伝統的な調理器具であるせいろは、23年に続いて24年も「せいろ蒸し」が「料理SNSトレンド大賞」で異例の2年連続受賞となったほどの注目度。せいろを使えば、栄養バランスの良い食事が短時間で完成し、蒸し調理によって食材の栄養を保ちながらカロリーをカットすることが可能とあって、SNSでも蒸し料理のレシピが8万件以上も投稿されています。
渋谷ロフトやハンズ、ダイソーなどではせいろの売り上げが前年の4倍から7倍に増加しているといいますが、ブームの牽引役となっているのが、料理クリエイターのりよ子さんとSNSで200万人のフォロワーを抱えるHidekaさん。20代の2人が昨年上梓したレシピ本『すべてを蒸したい せいろレシピ』(りよ子著・Gakken)と『一汁三菜 おぼん献立』(Hideka著・ワン・パブリッシング)は、いずれも大ヒット。『あさイチ』(NHK)、『ひるおび』(TBS系)、『スーパーJチャンネル』(テレビ朝日系)といった情報番組でもこぞってせいろの魅力を特集し、タイムパフォーマンスの良さや健康効果を強調したことで、忙しい現代人にとってせいろは身近で魅力的な調理器具となっています。