■ノロウイルスに感染したとき腸内環境を整えよう

 発熱や咳など症状が複合的な場合は、『エスタック総合感冒』などの総合かぜ薬が強い味方になる。

「解熱鎮痛剤に加えて、鼻水や鼻づまり、咳を抑える薬や、たんの排出を促す薬がミックスされているので、微熱や鼻水で悩む、初期の風邪症状のときに重宝します」(同)

 インフルやコロナは、つらい咳、喉の痛みに悩まされることがあるが、その対策として、久住氏は鼻うがいを推奨した。

「コロナやインフルの咳の根本の原因は鼻づまりです。鼻水が喉に垂れて、たんが絡み、それを排出するために咳が出ます。また、鼻づまりは就寝時に口呼吸になり、喉が乾燥して痛みます。なので、鼻うがいで鼻水を排出するのが最も効果的です」(同)

 鼻うがいは、濃度1%の生理食塩水を、鼻の穴から入れて口に出す健康法だ。それでも改善できず、症状をピンポイントで治したい人には、こんな市販薬が。

「喉の痛み止めの『パブロンのど錠』や、咳止めの『ベンザブロックせき止め錠』を。また、インフルエンザ感染者の30?60%には頭痛の症状が出ています。その際は、頭痛を止める『イブクイック頭痛薬DX』なども活用しましょう」(医療ジャーナリスト)

 次は、整腸薬。冬になれば、下痢や嘔吐を引き起こすノロウイルスが大流行するため、知識を得ておきたい。

「ノロウイルスに感染したときは、体内にあるウイルスを排出するのがポイントなので、腸内環境を整える整腸薬がよい。一方で、胃腸の動きを抑制する『ストッパ 下痢止めEX』(ライオン)などはオススメできません。療養中は脱水や栄養不足にならないように、『オーエスワン』などの経口補水液も活用しましょう」(前出の久住氏)

 漢方薬を使うという手もある。漢方学に精通する薬剤師の平地治美氏は、こう言う。

「オススメは、五苓散です。脱水状態の場合は体の水分を保持し、むくんでいる場合は利尿作用で排出を促して、体内の水分のバランスを整えてくれるので、ノロウイルスの療養に効果的です」

 漢方薬は医師の処方に限らず、ドラッグストアなどでも購入可能。その際は、薬剤師に具体的な症状を伝えるのがポイントだという。

「風邪のひき始めには、体を温めて発汗を促す葛根湯。症状が落ち着いて、疲れた体を回復したいときには、十全大補湯というように、病気の経過に応じて使い分けてください」(前同)

 そして、薬と合わせて活用したいのが、タウリン配合の栄養ドリンク。

「昨年、世界的に権威のある学術誌『ネイチャー』に、タウリンが免疫機能を改善するという論文が掲載されました。また、タウリンは、感染症にかかったときの疲労などの症状を抑制する効果があるという研究結果もあります。栄養ドリンクを購入する際は、睡眠の質を下げないように、“カフェインフリー”のものを選びましょう」(久住氏)

 世にはびこる、さまざまな感染症に備えて、この冬を元気に乗り切ろう!

久住英二(くすみえいじ)
専門は内科、血液内科、旅行医学。町医者として様々な病気の診療経験を有し、とくに感染症やワクチン、血液疾患に詳しい。