この冬、日本列島で感染症が猛威を振るっている。
「厚生労働省の感染症発生動向調査において、2024年の第52週(昨年12月23~29日)のインフルエンザの発生報告が、全国平均64・39人に。 これは1999年の統計開始以降、過去最多の記録です。加えて現在は、新型コロナやノロウイルスの発生も増えており、医療機関が逼迫しています」(全国紙厚労省担当記者)
それだけではない。お隣の中国では、呼吸器感染症の「ヒトメタニューモウイルス」が急拡大しているという。『立川パークスクリニック』(東京都)の院長で、内科医の久住英二氏は次のように解説する。
「ヒトメタニューモウイルスは、2001年にオランダで発見された風邪ウイルスの一種です。聞きなれない名前ですが、大昔から存在しているとされ、日本にももともといるウイルスなので、現時点では、警戒する必要はありません」
ただ、その一方で、中国は、この1月29日に旧正月「春節」を迎える。延べ約90億人が大移動する時期というだけあって、人気の旅行先・日本は今後、感染拡大が懸念されているという。万が一のときの備えが必要なのだ。
そこで今回は、“冬風邪で死なないため”の市販薬を紹介しよう。
まずは、解熱鎮痛剤。インフルやコロナ、ヒトメタに共通する症状が発熱だが、そのつらさを和らげるときに有用だという。
「アセトアミノフェンのみ配合の薬は、安全性は高いですが、効き目はマイルドです。
対して、ロキソプロフェン類やイブプロフェン類は、よく効きますが、消化管の粘膜障害などの副作用があり、胃や腸に負担がかかる恐れがある。症状に合わせて選んでください」(前同)
注意したいのが、アスピリンを主な配合成分とする解熱鎮痛剤だという。
「インフルエンザの際に服用すると、急性脳症の“ライ症候群”になる恐れがあるので、個人の判断では服用しないほうがよい」(同)
例えば、同じ製薬会社の同じシリーズの解熱鎮痛剤でも、『バファリンA』はアスピリン配合、『バファリンルナJ』はアセトアミノフェン配合と、成分が違うものもあるので、購入の際は薬局の店員や薬剤師に相談し、しっかりと見分けてほしい。