■トラブルへの関与が報じられている幹部A氏がいるフジの編成は……
フジ・メディア・ホールディングスのうち、フジテレビ単体の売上高を見ると、2022年度決算で2374億円、2023年度決算で2382億円。売上の主体はスポンサー料だ。
そんな台所事情が急変しそうな今回の騒動。前出の大手広告代理店関係者によれば「数百億の見込みが消えかねない」というから、その危機たるや……。
別の広告代理店マン(30代)は、テレビ局と広告代理店の関係性を明かす。
「まず、テレビ局は編成がいちばん“偉い”ポジションです。番組の企画をはじめ、制作費から何から番組に関わる全権限を握っている。編成がGOを出さないと何も始まらないし、編成が終了といえば終了。すべてをコントロールする司令塔です。
一方で大手広告代理店には、局ごとに“局担”と言われる営業担当者がいます。編成と密接に関わり、CM枠を買うわけですが、すごく閉じられた世界なんです」
フジテレビの印象については、
「あくまでも個人的な印象ですが、フジには広告代理店に“枠を買わせてやってる”という態度が漂っている気がしますね……。“テレビ離れ”は明確に進み、どれだけフジの視聴率が不振だと言われても、周囲からは“フジテレビ”の名前を出せばチヤホヤされるじゃないですか。そういったこともあってか、いまだに天狗のような態度を取る人もいますね。
以前、仕事をした編成の若手は、うちの営業の女性と初対面の直後、“合コンしましょう”“自分と付き合うといいことあるかもよ”ってしつこくメッセージを送っていましたよ。彼がそういうタイプだっただけかもしれないですが」(前同)
現在フジテレビに出稿している、あるスポンサー企業の広報担当者は「もしかしたら、フジの上層部は、まだ本当に何が悪いかがわかっていないような気もしてきますね……」と不信感を隠さない。
港社長の会見終了後、フジの夕方のニュース番組『Live News イット!』ではMCの宮司愛海アナ(33)が神妙な面持ちで、
「一連の問題のこの大元、根本にいったい何があったのかということを、しっかりと第三者の目を入れて調べてもらう、そして会社が生まれ変わる……一歩にするべきだというふうに私は感じています。それがやはり信じてくださっていた視聴者の皆様に対する、あるべき姿勢だとも思います」
と途中、言葉を詰まらせながら語った。
現場は悩み、苦しみながら目の前の仕事に向き合っている。加速するスポンサー離れと、第三者が中心となる調査委員会の設置で今後、フジテレビは変わっていくのだろうか。