■隙のない『クジャクのダンス』

 そうなると、検事の瀧内公美や、父親の部下だった刑事の藤本隆宏(54)あたりが怪しいが、気になるのは広瀬演じる小麦が小学校1年生のときに病気で亡くなっているという母親に、ベテランの仙道敦子(55)をキャスティングしていること。ただの故人で終わらず、なにかありそうだ。

 最近は、視聴者が考察で盛り上がるドラマがTVerなどの配信サービスでの再生回数、お気に入り登録数で爆発している。本作も初回から考察が盛り上がりそうで、配信視聴でのヒットはほぼ確実だろう。

 キャスト以外で注目したいのは、脚本を務める金沢知樹氏だ。20年7月期『半沢直樹』(同局系)や23年の配信ドラマ『サンクチュアリ -聖域-』(Netflix)など注目作を数多く手掛け、今期では国際捜査を描くドラマ『東京サラダボウル』(NHK総合)も担当する。原作コミックは連載中のため、今、最注目の脚本家が結末をどう仕上げるのか楽しみだ。

 サスペンスは緊張感ある展開が続くが、広瀬の存在が癒やしになりそうで、これも魅力になるだろう。放送スタートを楽しみに待ちたい。(ドラマライター・ヤマカワ)

■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。