■1社提供スポンサーも続々撤退……

 小堺一機(69)が司会を務めた帯のトークバラエティ番組『ごきげんよう』(1991年1月~2016年3月)のときから、『バイキング』、『ぽかぽか』に至るまでCMを出稿していたライオンも放映を差し止め。系列局の関西テレビ制作だが、『花王名人劇場』(1979年10月~1990年3月)のときから出稿していた花王も《1月18日放送分からフジテレビへのすべての広告を中止いたしました》と発表。

 また、JRA(日本中央競馬会)もフジテレビで放映するCMを20日から差し止める対応を取ったことが明らかに。差し止めを決めた番組は中央競馬のレース中継をしている『みんなのKEIBA』とBSフジ『BSスーパーKEIBA』のほか、『うまレボ!』、『ネプリーグ』、『めざましどようび』の5番組。番組の制作協力についても「今後の推移を慎重に見極めたい」と回答している。

「スポンサー企業がCMを続々と差し替えているのは、今のフジテレビに自社のCMを流すこと自体が、視聴者にマイナスに受け止められてしまうからですよね。スポンサーはCM枠を買っていてすでに料金も支払い済み。CMをACジャパンのものに差し替えたとしてもお金が返ってくるわけではありません。それでも“流してくれるな”となっているわけで、それだけ、現在のフジテレビに強い嫌悪感を示しているということです。

 そして特に、長い期間1社提供の番組をやってくれていた、非常に良好な関係を築いていたスポンサーまでCMの差し替えなどをしているというのはあまりにも深刻な事態です。

 フジテレビはここ数年は視聴率が低迷していますが、2010年まで7年にわたって視聴率3冠王という記録もありましたし、なんだかんだいい時期も長かった。ですので、当時からCM枠を買い続けている“お得意様”企業がいるわけですが、今回の問題に対し、先方が納得できる説明ができないと、今後、新たな契約はしてくれないでしょうし、最悪の場合、これまでの関係も断絶しかねない、と言われています」(前出の民放キー局関係者)

 テレビの黄金期からつき合いが続くスポンサー企業は、CM契約での金額面などにおいて良い条件を出してくれるという。

「前回時の契約実績がありますから、そこから大幅に下げるようなことはないということですよね。しかし、今回の問題を受け、キッコーマン、塩野義製薬、ライオン、花王といった“お得意様企業”がフジテレビと距離を取ることに。今後の対応によっては関係が完全に切れてしまう可能性もあるわけで……今は、非常に重要な局面にきていると言えるでしょうね」(前同)

 フジテレビは1月21日、社員向け説明会を23日17時30分から行なうと全社員に通知した。嘉納修治会長と港社長が出席し、これまでの経緯や今後の方針について説明するといい、局内のスタジオとリモートを併用して開催され、社員からの質疑応答も受けるという。また、同局を傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスも同日に臨時取締役会を開くことを明らかにした。

 フジ上層部には問題解決のためのスピードアップが求められている。60年以上続く番組『MUSIC FAIR』に1社提供している塩野義製薬の「フジテレビから早急に事実内容と今後の対応についての説明がなされるべきだと考えている」というコメントが持つ意味は重い――。