■フジテレビ記者も上層部を厳しく追及
会見開始から4時間半ほど経過した20時30分前にはフジテレビの社会部記者が質問をする場面があり、当該記者は質問前に同局の社員として謝罪。「少しでも事実関係解明の役に立てれば」と前置したうえで「女性のプライベートな領域でのことを盾にして情報隠蔽しているんじゃないかということに尽きると思います」と指摘した。
トラブル発覚時、遠藤副会長がコンプライアンス委員会のトップだったものの、トラブルを知ったのが2024年末だったと明かしたことに触れ、「“去年の12月に文藝春秋に直撃されたときにそのことを知りました”ということを聞いたときに、社員として愕然とした」と吐露。
そのうえで「公表するしないはいろんな判断があったと思うんですが、少なくともコンプライアンス委員会のトップであり副会長という上役である遠藤副会長にお話をされなかった、共有しなかったということについては非常に不可解だなと思うんですけど、遠藤副会長どうお考えですか?」と問い、これに遠藤副会長は「やはり共有すべき問題だった」と反省の弁を述べた。
港社長に対しても「身近にいる遠藤副会長にもあげられなかったという裏に、何か隠したいこととか守りたいもの、A編成幹部というのは非常に港社長と懇意にしていたと聞いております」と指摘し、「そういうものを守りたい、示談が済めばそのまま“なきものにしたい”という思いがなかったのか」と斬り込んだ。
港社長は「(編成幹部の)Aが関与しているのではないかという可能性を知ったのは去年の夏以降」とし「守りたいとか隠したいとかいう気持ちはありませんでした」と説明していた。
さらに同記者は「会社のガバナンスの問題もそうなんですが……」と3問目の質問をしようとしたが、会見では「1人2問」と決められていたため、司会を務めたフジテレビ広報の担当者に制止されていた。
「27日はバラエティ番組や月9ドラマなどを放送することなく、予定を変更して釈明会見の模様をほぼCMナシでずっと放送し続けたのですが、それは現場の憤怒の表われで、“最大の抗議”という見方もされていますね。
そして、報道局はじめフジの社員たちは現在のフジテレビでガバナンスが機能していないことにも憤っています。そんな企業体質を変えるべく、会社にとっては不利益なことではあっても、事実であれば積極的に報道していこうという思いで、問題発覚以降、同局の報道番組は制作されているといいます。
フジテレビでのCM放送を見合わせしている企業が75社に及んでいると最初に報じたのも『イット!』でした」(前出の制作会社関係者)