■松山ケンイチの功績は大きい
脚本、演出の力もあるだろうが、演者それぞれの仕事も見事だった。広瀬、松山、成田に加え、雑誌記者の磯村勇斗(32)、春生(リリー・フランキー)の部下だった刑事の藤本隆宏(54)などと、登場人物が多くてごちゃごちゃしているのに、内容がスッと入ってきた。物語の手引役となる松山ケンイチが、わざとらしくならずに説明、整理していった功績は大きい。
また、初回から登場人物の全員が怪しい状態で、Xでは《心麦は東賀山事件の生き残った娘、そもそも東賀山事件は冤罪、犯人はお父さんの春生か、その部下とか》《春生の警察官時代の部下が小麦を監視している。広瀬すずが共演者を疑い合っていると言っていた事から考察すると、まだまだシークレット出演者がいる》などと、早くも考察が盛り上がっている。
考察ものドラマは、配信で支持されることが多いが、TVerのお気に入り登録の数字は、初回の放送翌日の1月25日だけで12万人近く増えるなど、例がないほどの伸び具合を見せている。視聴率も好調で、冬ドラマのナンバーワンとなる可能性は高い。
今期のTBSは、松坂桃李(36)主演の日曜劇場『御上先生』、芳根京子(27)主演の火曜ドラマ『まどか26歳、研修医やってます!』も好調だ。これに『クジャクのダンス、誰が見た?』が加わり、さらなる盛り上がりをみせそうだ。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。