元フジテレビアナウンサーで、PTSDを患っていたことを公表している渡邊渚(27)の初フォトエッセイ『透明を満たす』(講談社)が1月29日に発売された。同日18時時点でAmazonの「売れ筋ランキング」では総合2位、エンターテインメント部門で1位と、早速反響を呼んでいる。

“フォトエッセイ”であることにこだわり、エッセイは5万字超を自ら執筆。グラビアパートは80ページもの撮り下ろしで、透き通るような笑顔や、健康美が際立つボディをさまざまなポーズで披露し、書籍説明では「新しい自分を表現した写真たち」だとされている。

「発売前から話題性は高く、発売前に重版がかかったそう。29日に発売となり、ますます注目度は高まっていますね」(スポーツ紙記者)

 渡邊は慶応大学卒業後、2020年春にフジテレビ入社。『めざましテレビ』や『ぽかぽか』『もしもツアーズ』といった人気番組を次々に担当したが、23年7月に体調不良で療養。同年8月末にフジテレビを退社した後、24年10月1日に自身のインスタグラムでPTSDを患っていたことを明かした。

少女時代から現在までを綴って

 活動再開を報告するインスタで渡邊は、

《フラッシュバックや回避・解離、過覚醒、パニック発作など、様々な症状がありました。この1年4ヶ月、生きているのが辛くて、身も心もボロボロでした》

 と、その壮絶な闘病経験を記していたほか、24年12月9日配信の『NEWSポストセブン』の連載エッセイでは、「退職するまで、私は“労働は罰”と思っていた」と過酷な勤務形態を振り返っていた。

 また今回、グラビアで肌を露出することに対してSNSで心無い声が寄せられると、インスタで《病気によって“できない”と決めつけるのは、他者にも自分自身にもしたくないことなので、こうして挑戦しています》と説明するなど、発売前からその内容が注目を集めていたが――。

 同書に目を通した女性誌編集者が内容の一端に触れる。

「自身の少女時代、そして青春時代に打ち込んだことなど彼女の人生について、繊細な筆致で綴られています。

 そして、フジテレビのアナウンサーとして奮闘する日々を振り返るなかでは、新入社員の頃に理想のアナ像を説かれた際の“衝撃を受けた言葉”に触れました。そこでは、恋愛を制限するよう言及されたこととその理由について書いています。その理由は、なかなか驚きのもので……。ハラスメントに関する記述もあり、違和感を覚えながらアナウンサーの仕事を続けていたことを吐露していますね。

 さらにはPTSDと診断される前後の生々しい描写や療養中の生活も自分の言葉で赤裸々に綴り、読んだ人からは《PTSDの体験が、これほどリアルとは》《自分だったら同じような勇気と配慮を持った行動ができただろうか》という声も続々寄せられていますね。それでも前を向くことを決意した彼女の生き方に、感動を覚える読者は多くいそうです」

 同書の内容紹介では、「生きづらさを感じている人や病と闘っている人、それを支える周囲の人、同世代の将来に悩む女性など、様々な人たちに届いて欲しい」とメッセージを寄せている渡邊さん。2月から公式ホームページと公式メンバーシップ「Lighthouse」を開設するなど、活動拡大の準備が着々と進められているようだ。