2024年『ユーキャン新語・流行語大賞』にノミネートされた「〇〇界隈」。中でもひと際話題になったのは風呂キャンセル界隈、通称「風呂キャン界隈」だろう。

 若者文化に詳しいトレンドアナリストの太田まき子氏は、風呂キャンの台頭についてこう話す。

「潜在的にお風呂に入る、入らないという議論は昔からされていましたが、SNSを中心に“〇〇界隈”というトレンドワードの1つとして、自身の体験や、何日お風呂に入っていないかを語るインタビュー動画が拡散され、急速に広まりました」

 株式会社はぐくみプラスの20~50代の女性を対象としたアンケートによると、週1回以上お風呂に入らない女性はなんと22.1%もいた。

 人気タレントのゆうちゃみもバラエティ番組で4日間お風呂に入らなかったことがあると暴露されていた。

「小さい頃からお風呂が嫌いで、人と会わない夏休み中は、2週間入らなかったこともあります。今でもお風呂に入らなくていい日は、特別な日と感じられますね」

 こう話すのは、風呂キャンセル界隈を公言するアイドルグループ『にっぽんワチャチャ』のメンバー、鈴木Mob.氏だ。

「一緒になったアイドルさんの中にも、ぱっと見すごい清潔なのに“私も風呂キャンセルなんです“ってこっそり教えにきてくれる子が結構いて、びっくりしました」(前同)

 公言こそしていないが、実は隠れ風呂キャン界隈も存在しているのだろう。

 では、実際はどういった層がお風呂に入らないのだろうか。

「10代後半から20代前半の独身女性が3~4割くらいを占めている印象です。特にギャルの中には、“めんどくさい”という理由から、化粧を上からさらに塗り直したり、香水をつけることによって、清潔感を装っている人もいます」(前出の太田氏)

 仕事が忙しいのは男性も同様だが、風呂キャンセル界隈に女性が多いのは、特有の理由があるという。

「風呂上りのケアの工程が多いのが理由のひとつです。女性は髪が長い人が多く、乾かすまでに20~30分かかります。さらに肌のケアも含めると、全体的に男性よりも時間が多くかかってしまいますから」(前同)