■「風呂キャンセル界隈」が増えた理由とは
さらに、お風呂に入らないことによって、メリットもあると言う。
「一番は、忙しい日の睡眠時間が確保できることですね。風呂に入らなくても死にはしませんが、睡眠時間が短いと、かなり影響を感じます。また、必要以上に皮脂を流してしまうこともなくなりますし、シャンプーやソープに含まれている界面活性剤の使用を減らすことで、環境にもやさしいんです」(前出の鈴木氏)
確かに、海外では毎日風呂に入らないのが一般的というケースもある。
だが、日本でここまで風呂キャンセル界隈を公言する人が増えた背景には、どのような理由があるのだろうか。
「コロナ渦以降、リモートワークが普及したことにより、外出や風呂に入る習慣が減ったという人が増えました。最近では動画配信のサービスやウーバーイーツ等で、家から一歩も出ることなく生活を完結できるようになったのも影響しています」(太田氏)
さらに太田氏は、風呂キャンセル界隈の現状についてこう語る。
「いまだにニュースとしての注目度は高いですし、週末風呂キャンセルや、夜に入らず、朝に風呂に入るような、風呂キャンセルライト層は、まだ自分もそうだと自覚していない方も多いので、今後も拡がり続けるのでは」
前出の鈴木氏もこう続く。
「実際、一日くらいお風呂に入らないだけで、汚くなるわけではないと思うんですよね。そういったことががどんどん立証されていって、いつかお風呂をキャンセルしている人に対して、笑い合えるような優しい世の中が来るんじゃないかなって思います」
実は風呂キャンセル界隈の人は、世の中にはあふれているのかもしれない。
太田まき子(おおた・まきこ)
新潟県出身。大学卒業後、広告会社及びマーケティング会社にて女性向け商材のプロモーション、ファッションカルチャーイベントの企画運営、エンタメ系の広報PRなどを担当。現在はフリーランスのPRとして、トレンドのマーケティングやリサーチを行う。
鈴木Mob.(すずき・もぶ)
1999年4月10日生まれ。2020年3月にアイドルグループ『にっぽんのウイルス』のメンバーとしてデビュー。のちに改称し『にっぽんワチャチャ』へ。2023年にはグラビアアイドルとしての活動を開始。2024年8月2日放送の『ABEMA Prime』に“風呂キャンセル界隈”を自称するアイドルとして出演した。