■2017年に勃発した“松本批判”

 中田と松本、両者の“因縁”が言われるようになった発端は、2017年2月に脳科学者の茂木健一郎氏(62)が、

《日本のお笑い芸人は、上下関係や空気を読んだ笑いに終止し、権力者に批評の目を向けた笑いは皆無。地上波テレビはオワコン》

 と、自身のXに投稿し、炎上したことだった。

 同年3月、松本は『ワイドナショー』(フジテレビ系)にて茂木氏の投稿を一蹴したが、これに中田がブログで異を唱えたことが、“中田による松本批判か”と話題に。

 そして5月、ラジオ番組『らじらー! サンデー』(NHKラジオ第1)に出演した中田は「吉本が全社をあげて大騒ぎし、幹部と社長に、いま僕は“謝れ”と言われている」「僕の意志としては謝らない」と発言し、その後レギュラー番組の降板が続いたことから、“テレビ界から干されたのでは”とも言われたのだ。

「後に中田さんは“干された疑惑”について、やりたいことができたから仕事を整理した、とインタビューで話しています。

 ただ、 “お笑いの権力が松本人志に集中しすぎている”という論調の話は現在もしていて、視聴者の間では“バチバチ感のある話題”として扱われていますね」(前出の女性誌ライター)

 中田は2023年5月末、『中田敦彦のYouTube大学』で、松本が『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)や『キングオブコント』(TBS系)を筆頭に、様々な賞レースの審査委員を務めている現状を、「権力が集中している」「他の業界だったら信じられないくらいの独占状態」と指摘していた。

 そんな背景もあり、大きな話題になった今回の『水ダウ』の“中田「許諾NG」”だが――制作会社関係者は言う。

「中田さんの顔写真が使われないのは『水ダウ』に限った話ではなく、『さんまのお笑い向上委員会』でもそうでした。

 また中田さんは、22年11月に『あちこちオードリー』(テレビ東京系)に出演した際、テレビに出なくなった理由を“会社と揉めた”“揉めちゃいけない揉め方ってある”と、松本さんとの騒動を半ば自虐ネタとして使っている感じもあります。

 視聴者からの指摘にもありますが、今回の“許諾NG”も『水ダウ』のスタジオのイジリを狙ってのものかもですね」

『水ダウ』視聴者からは、

《SNSのトレンドでバズってんだから正解、オモロイじゃん。 ネタにもガチにも見える絶妙な塩梅が素晴らしい》
《あっちゃんの許諾NGはあっちゃんらしくて笑ったわww》
《SNSの話題にするためにわざとNG出したでしょ 理由はそれ以外にもあるだろうけど》
《許諾NGの写真イラストとかじゃなく「許諾NG」ってわざわざ書いてるの水曜日のダウンタウンスタッフの悪意あって好きw》

 といった、『水ダウ』での扱い方を含めて、“許諾NG”を好意的に受け取っている声も多く寄せられている。

 2021年3月からは妻でタレントの福田萌(39)ら家族とシンガポールに移住し、23年末には第3子男児の出産が発表されるなど、私生活も順風満帆な中田。今回の『水ダウ』では思わぬ注目を集めたが、これからも独自路線で歩いていくのだろう。