■エースアナと番組プロデューサーの結婚で“ノリノリ”のフジ
当時を知るワイドショー関係者は、「実際、小島さんと大野氏の結婚は“異例”の扱いだった」と振り返る。
「小島さんと大野さんが同じ職場だった『EZ!TV』の生放送内で、2人の結婚が大々的に取り上げられたのです。今でこそアナウンサーの結婚報告は珍しくありませんが、当時は、自らの結婚のようなプライベートな話を担当番組で触れるのはほぼ初だったのではと。
ただ、大野氏はそういった局のノリを歓迎していたかというと、必ずしもそうではなかったようですよ。いわゆるイケイケで浮かれるタイプではなく、社内で小島さんとの交際が噂された時も隠したがっていたと聞きます。
しかし、局としては社内結婚というだけでなく同じ番組のプロデューサーと女性アナウンサーということで“格好のネタ”。番組で大々的に特集するのが視聴率的にもプラスだと考えたのでしょう。80年代からアナウンサーをタレント扱いして話題性を作ってきたフジテレビですが、この頃から情報番組でも内輪の話をエンタメ化して混ぜ込むのが顕著になってきたように思われます」
結婚後、小島は2002年3月末でフジを退社するが、その後も担当番組を続投したというから、フジによほど必要な人材だったことが伺える。先のワイドショー関係者が続ける。
「小島さんの退社理由は、仕事のコントロールをしたい、ということでした。妊娠・出産も視野にいれたうえでの決断だったと思います。平日は、毎日朝の情報番組『めざましテレビ』があり、日曜夜は『EZ!TV』がある。多忙を極める毎日で体調不良だった時期もあったようですが、妻の仕事に誰よりも理解があった夫の大野氏。夫婦仲が悪くなるようなことはなかったと聞きます」
フジテレビの看板女子アナだった小島の姿を、誰よりもそばで見守ってきた大野氏。着々と出世し、情報制作局長として23年10月21日放送の特番『週刊フジテレビ批評特別版~旧ジャニーズ事務所創業者による性加害問題と“メディアの沈黙”』に出演した際には、
「自分自身も含めて、組織全体として性加害に対する認識が著しく低かったと受け止めております。性被害の取材や放送は慎重を期します。しかし、そのサインを決して見過ごすことのないよう、意識を高めてまいりたいと思います」
と述べ、「すべてのスタッフが、人の気持ちに寄り添った番組とは何か、常に問いかけながら、誠実に情報を伝えていきたいと」とコメントしていた。
言葉だけでなく、いよいよ組織全体としての改革が求められている今、国民全体がフジテレビの“実行力”を注視している。