■アナウンサー就活へのリアルな“余波”
まず、アナウンススクール「アナトレ」を運営するフジテレビ。「アナトレ」は学生キャスター養成講座からアナウンス基礎・応用コースまで合計5コースを用意しており、生田竜聖アナ(36)や井上清華アナ(29)ら現役で活躍するアナのほか、フジのOB・OGアナも顔を揃える豪華布陣が講師を務め、各局に多数内定者を輩出している。
フジの広報局担当者は、一連の騒動に関する「アナトレ」への影響については「特に出ておりません」と回答する。女性アナの“役割”をめぐる騒動となっていることについて、在校生たちへ何らかの説明やケア、意見を聞く働きかけを行なったか、またコンプライアンスに関する講座の充実度や今後の増設予定について質問すると、
「2001年に始まった『アナトレ』ではこれまで一貫して、フジテレビの現役アナウンサーらが講師として受講生の皆さんに真摯に向き合い、懇切丁寧な指導を心がけています」(広報局担当者)
とのこと。
では、新井恵理那(35)、皆藤愛子(41)、神田愛花(44)、鷲見玲奈(34)ら多数の女性キャスターを擁し、アナウンススクール「セント・フォース カレッジ」を運営するセント・フォースはどうか。代表の青山さんが、取材に応えてくれた。
今回のフジテレビ騒動にまつわるスクールへの影響について、青山さんは「親御さんがアナウンサー就活に難色を示しているという理由で、アナウンサー試験を受けないことにした学生も数名います」と明かす。
受講者数に関しては、「アナウンサー就活以外の一般的な就職活動においても“話し方”を整えておくのは有効ということで、アナウンサー試験を受けない学生も講座を受講しているため、受講者数に変化はほぼありません」とのこと。
それでは、一連の報道を受け、在校生たちの空気感はどうかというと──。
「逆に、こういうときだからこそ、各局ともコンプライアンス遵守が徹底されるはずなので、アナウンサー試験を受けるのにむしろ良い時期だと前向きになる学生もいます」(青山さん)
アナウンサー職を募集する企業は、これからを担う若者に希望を持たせることができるかが問われている。フジテレビ問題にもっともシビアな目を向けているのは、未来のアナウンサーとその親なのかもしれない。