■松村北斗の真骨頂
瀬奈の言動が理解できない母親・祥子(瀬戸朝香/48)に続き、身勝手すぎる咲良の母親・美沙希(市川)に、怖すぎる真戸原の実母・ケイ(浅田)と、まさに毒親ドラマと化している本作。リーガルラブストーリーをうたうものの、裁判案件はそっちのけ。前半に真戸原・瀬奈のキュンシーンはあったものの、その後のあまりに理不尽な展開にすべて吹き飛んでしまった。
しかしX上では、《勝手な親に人生翻弄されて幸せになりたいのになれない子供達の話だよね。ほんわかリーガルラブって思って見てたからおかしかっただけで、俳優さん達の演技の端々に毒親からくる破綻した性格があったかも。瀬奈が相手のこと放置しがちなのも環境による性格か。過去回見直してみるかなー》という指摘も。
そもそもが毒親と戦う3人というのがメインストーリーで、リーガルとラブは添え物と考えると、このカオスなドラマの見え方も変わってきそうだ。毎度、瀬奈の言葉足らずで真戸原が苦しむが、お互いに2人は過去に傷を負っていて、そこから立ち上がるさまを楽しむべきドラマなのだろう。
そういうことであれば、悩みとまどう役をやらせれば絶品の松村が、真戸原役にキャスティングされたのも納得だ。今回も、ケイに愛されることがなかったツラい過去がフラッシュバックし、真戸原が過呼吸を起こす演技は、素晴らしいものがあった。
次回は、同棲を始めた瀬奈と真戸原に、瀬奈の母親・祥子(瀬戸)が干渉してきて、さらなる毒親展開になるようだ。リーガルでもラブでもない、瀬奈と真戸原(と宇井)が毒親の呪縛から解放され、幸せな未来をつかみとる今後に期待したい。(ドラマライター・ヤマカワ)
■ドラマライター・ヤマカワ 編プロ勤務を経てフリーライターに。これまでウェブや娯楽誌に記事を多数、執筆しながら、NHKの朝ドラ『ちゅらさん』にハマり、ウェブで感想を書き始める。好きな俳優は中村ゆり、多部未華子、佐藤二朗、綾野剛。今までで一番、好きなドラマは朝ドラの『あまちゃん』。ドラマに関してはエンタメからシリアスなものまで幅広く愛している。その愛ゆえの苦言もしばしば。